第二章
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大きな水槽の土の中にいた、そしてその中で気持ちよさそうに寝ていた。
「・・・・・・・・・」
「何で寝てるんだよ」
「だって今冬だから」
篠崎は長谷にすぐに答えた。
「だからね」
「ああ、寒いからか」
「爬虫類って冬眠するよね」
「両生類とか虫もな」
「熊や栗鼠やヤマネもするし」
哺乳類もというのだ。
「それでだよ」
「こいつも冬眠してるんだな」
「うん、冬の間目を覚まさないよ」
そうだというのだ。
「毎年そうしてるよ」
「そうなんだな、じゃあ仕方ないな」
「冬眠してるならだね」
「動いているの見たかったけれどな」
それでもというのだ。
「それならいいさ」
「うん、じゃあゲームして遊ぶ?」
「そうするか?」
「それならね」
「それじゃあな」
篠崎の言葉に頷いてだった。
二人でプレステのゲームをして楽しんだ、それから長谷は時々篠崎の家に行って蛇がどうしているか見た。そして春になると。
「シャーーー」
「起きたんだな」
「三日前ね、それでね」
篠崎は今は水槽の中にいるハナ、雌のアオダイショウを見つつ話した。
「ご飯も食べてるよ」
「鶏肉か」
「うん、これから秋までね」
「起きてるんんだな」
「基本夜行性だからお昼に寝て」
そうしてというのだ。
「夜動くよ、ただ夜は皆寝るから」
「水槽の中に入れるか」
「そうしているよ、大きな水槽だしね」
見れば蛇一匹には十分な大きさである。
「そうしてね」
「一緒に暮らしてるか」
「うん、じゃあ水槽から出すね」
「ああ、動いてる姿見せてくれよ」
長谷も答えた、そうしてだった。
彼は家の中で動く蛇を見た、冬眠から目覚めた彼女はまだ完全には起きていない感じだった。だが確かに動いていて長谷はその姿を見てペットになって動いている蛇を見ることが出来たと満足したのだった。
冬の蛇 完
2023・12・24
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