第一章
[2]次話
注意出来ない人
長谷川織子はクラスで口煩いことで知られている、クラスメイトの誰かが何かよくないことをすると注意する。
そんな彼女だが気遣いは忘れず相手を傷付けない様に言うしフォローもするので嫌われていない、自分も律しているから尚更だ。
大きな丸い目と大きな赤い唇に丸めの顔、黒のセミロングの髪で背は高めだ。小学校六年生である。
そんな彼女の口癖はこうしたものだった。
「注意しないとよくならないし公平にね」
「誰にもなの」
「よくないって思ったら」
友人の田中雅弓小柄でショートヘアで小さめの目に家鴨口の彼女に話した。
「言わないといけないわ」
「差別はよくないのね」
「うん、注意されて気付くしね」
「人って」
「それで私差別って嫌いだし」
このこともあってというのだ。
「それでね」
「クラスの皆にもなのね」
「言って」
即ち注意してというのだ。
「それで私自身もね」
「気を付けてるのね」
「人のふり見てって言うでしょ」
「我がふりなおせって」
「それでね」
さらに話すのだった。
「言う相手も傷付かない様に」
「気を付けてるのね」
「うん、小さな子にも言うし先輩にもね」
「中学生の人にも?」
「言うわ」
「本当に誰にもなのね」
「そうするわ」
こう言って実際に織子は誰でも問題があると注意していった、それは学校の先生に対してもだった。だが。
ふとだ、雅弓は織子のあることに気付いて彼女に言った。
「織子ちゃんご近所の高座さんには何も言わないわね」
「あの帝辺高校の」
「うん、そうよね」
「いや、あの人のこと知ってるでしょ」
織子は雅弓に顔を曇らせて話した。
「もうね」
「帝辺高校って県内で一番レベル低かったわね」
「偏差値三十でね」
八十から三十まである中でだ。
「もう行く人なんて」
「どうしようもない不良ばかりよね」
「あの人もね」
「どうしようもないわね」
「堂々と煙草吸ってお酒やシンナーもで」
織子はさらに言った。
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