第二章
[8]前話
「お寺とは関係ない」
「いや、このお寺のこと滅茶苦茶詳しいし」
「歴史もどういったことしてるかも」
「細かい場所まで知ってるし」
「実はじゃないの?」
「そ、そうだよ」
皆の追及に耐えかねてだ、宮田はt類に白状した。
「俺はこの寺の住職さんの息子で跡取りなんだよ」
「ああ、やっぱりな」
「それでこのお寺で生まれ育っていて」
「何でも知ってるんだ」
「そうなんだ」
「そうだよ」
観念した顔で言うのだった。
「それで修行僧の人達にもよくしてもらって一緒に」
「修行もしてるんだ」
「お坊さんの」
「そうなんだ」
「そう、そして」
それにというのだった。
「お寺のお掃除とかお仕事もしてるよ、毎日」
「そうなんだな」
「真面目にやってるんだな」
「お寺で」
「総一郎君は凄く真面目でいい子だよ」
案内役の僧侶がにこりと笑って話した。
「毎日朝早く起きてね」
「修行してるんですか」
「お掃除とかも」
「そうしてるんですか」
「そうだよ、いいお坊さんになるよ」
「それはその」
僧侶の話にだった。
宮田はバツが悪そうな顔をするだけだった、そのうえで。
クラスメイト達を案内した、その間厨二ネタは言わなかった。
そして翌日からだった、彼はクラスでは無口で大人しい少年になった、厨二ネタは言わずそうなっていてだ。
寺で真面目に修行を続け学び跡を継いだ、そうなった時に小学校の同窓会の場で笑って言ったのだった。
「いや、厨二だったね子供の頃の僕は」
「実はそれは学校でだけで」
「実は真面目だったんだな」
「お寺では」
「み仏の教えは子供の頃から親しんでいたから」
成長した顔で言うのだった。
「だから信仰心あって好きだったから」
「それでか」
「そのうえでか」
「子供の頃からか」
「修行して学んでいたよ、けれど学校でそれを出すのも恥ずかしくてね」
それでというのだ。
「ああなっていた時期もあったんだ」
「照れ隠しか」
「あの厨二は」
「そうだったんだな」
「思えば子供だったよ」
こう言うのだった、そしてだった。
宮田は同窓会であれこれと話して楽しんだ、厨二だった頃のことも今では懐かしい思い出になっていた。
厨二病の子の素顔 完
2023・12・20
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