第一章
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思い出の鶏肉
菊池環奈は鶏肉が好きだ、外でもよく食べるし家でもよく料理に使う。それでサラリーマンで夫の正二太い眉でやや面長の顔で整った明るい目鼻立ちで背が高く黒髪を短くしている彼も言うのだった。
「いや、結構鶏肉使うね」
「私好きだからね」
環奈はこう夫に答えた、細く長く奇麗なカーブを描いた眉に切れ長の大きな目で黒髪をロングにしていて顎が尖った顔で色白だ。一六〇位の背でスタイルがいい。
「よくね」
「そうなんだね」
「外でもよく食べるしね」
「お魚や牛肉や豚肉も使うけれど」
自宅で夕食の軍鶏鍋を食べてから妻に言うのだった。
「やっぱり一番はね」
「鶏肉よね」
「どうしてかって思ってるけれど」
「好きだからなのよ」
「美味しいからかな」
「それもあるし栄養もあるし」
鶏肉はというのだ。
「色々なお料理に使えるしね」
「それはそうだね」
夫も否定しなかった。
「世界中のお料理で使われてるしね」
「そうでしょ」
「和食でも中華でも西洋でもね」
「カレーにも入れられるしね」
「本当に多いね」
「しかも安いし」
環奈は笑ってこのことも話した。
「尚更なの」
「経済的な理由もあるんだ」
「ええ、特にね」
「特に？」
「今度二人で私の実家行くでしょ」
ここで環奈は夫にこんなことも言った。
「その時にわかるから」
「奥さんの実家に行った時に」
「それがね、その時に言うわね」
「それじゃあね」
正二は妻のその言葉に頷いた、そうしてだった。
実際に妻の実家に二人で戻った、すると。
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