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ボロディンJr奮戦記〜ある銀河の戦いの記録〜
第94話 愛情と友情 
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佐になれなかったのは、どうやらヴィク、お前のせいらしいな?」

 だが急に俺の左肩に回されたウィッティの左手に力が籠る。嫌みのない笑顔の中に、ちょっとばかり危険なものが混ざっている。

「いや、今回の戦勝はビュコック司令の戦闘指揮の賜物だよ。俺のような未熟なヒラ参謀は、ただただ付いていくのが精いっぱいで……」
「戦略部って部署はな、統合作戦本部の中でも宇宙艦隊司令部の内勤とは比較的話す機会が多い部署でな……特に第四四高速機動集団のアトラハシーズ星系における艦隊運用には目を見張るものがあって、クブルスリー少将閣下も色々と資料を集められて……フィッシャー大佐殿に行きついてね」
「……」
「大佐殿は、愛弟子のことを大変高くお褒めであらせられたぞ?」

 そう言うウィッティの右手に握られている携帯端末の画面には、とある高級レストランの軍人限定予約割引チケットが表示されていた。

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