第二章
[8]前話
「そういうことね」
「あんたには悪いけれどね」
「同居して家賃と科水道代と科全部出してもらってるからいいわ」
「家事は分担でね」
「それならいいわ」
姉妹でよくこんな話をした、やがて妹は大学を卒業してOLになって結婚した、姉も結婚して家庭を持ったが。
お互い四十を過ぎた時にだ、お互い若い頃の体形のまま身内の集まりで会った時に妹からこんなことを言った。
「私も皺増えたし白髪も出て来て」
「私も結構ね」
「歳感じるわ」
「そうよね」
「友達もね、皆この歳になったら」
お茶を飲みつつ言うのだった。
「皺が出来るか白髪か太るかよ」
「年取ると皆そうなるわね」
「ええ、私も実はね」
ここでこうも言った。
「お腹にお肉がね」
「あら、そうなの」
「ダイエット気を付けてるわ」
「頑張ってね」
「いや、昔お姉ちゃんが太ってるって言われてること言ったけれど」
大学生の頃のことも話した。
「人のこと言えないわね」
「あんたもっていうのね」
「ええ、むしろ昔からそうで今もそれを売りにしているお姉ちゃんの方がね」
今も人気芸人の彼女に言うのだった。
「立派よ、太っていても」
「それを売りに出来たらいいのね」
「ええ、しかも別に身体悪くしてないでしょ」
「そうした太り方じゃないわ」
「だったらいいわ、太っていてもね」
それでもというのだ。
「それを売りに出来て健康なら」
「それでいいわね」
「ええ、そのことがわかったわ」
こう姉に言うのだった、それからはお互いの今のことを話した。もう妹は姉の体形のことをネガティブに言わなかった。
デブタレントの姉 完
2023・12・16
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