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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第8話
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聞かずに破邪の洞窟に向かうハドラーちゃん。
寧ろ、思いっきり時間をかけて悩んで欲しい題材でもある。
父親を超えるとはどう言う意味か?
父親を超えるにはどうしたら良いのか?
本当に父親を超える事が出来るのか?
そして、父親を超えた先に何が在るのか?
そう言ったモノを必死になって考えて考えて、その上でザムザにはザボエラを超える逸材になって欲しいのが、今のハドラーちゃんの願いでもある。
(ふっ……この俺が、今更アバンの真似事か……我ながら似合わんな)

瞬間移動呪文(ルーラ)でカールまでやって来たハドラーちゃんは、カール王国の騎士団に悟られない様に徒歩で破邪の洞窟に向かうのだが、そこで見慣れた顔と再会する。
「ん?」
(クロコダインではないか。何故こんな所に?)
よく視ると、クロコダインは大きなリュックを背負っていた。
(あー。なるほどね。自らを鍛え直す為に地上で旅をしていた訳か。そして、その冒険で得た知識を武器に獣王の称号を勝ち取った訳だな)
改めて成長の必要性を理解したハドラーちゃんに対し、クロコダインの方はバーンに仕える前だった事もあってか、なんの思い入れも無くそのままハドラーちゃんを素通りするのだが、その直後、ハドラーちゃんの脳裏にある者の最期の姿が浮かんだ。
「なに!?」
慌てて振り返るハドラーちゃんだったが、ハドラーちゃんになんの思い入れも無いクロコダインは、そのままスタスタと歩き去って行った。
(何故俺がザボエラの死に様を知っている!?奴は……少なくとも俺の目が届かない所で死んだ筈だ……なのに!?)
確かに1周目(ぜんかい)に関する記憶を全て覚えているハドラーちゃんだが、そんなハドラーちゃんでも1周目(ぜんかい)の事を全て知ってる訳ではない。特にハドラーの死後に起こった出来事は、文字通りハドラーちゃんのあずかり知らず。故に知る術が無い……筈なのだ。
なのに浮かぶ1周目(ぜんかい)のザボエラの死に様。
が、ハドラーちゃんは笑った。不敵に笑った。
「確かに不思議な事ではある。だが、好都合!ザボエラに性格改善を促す警告の様な幻覚を送り込みたいと思っていたのだ!」

その日の夜。

ザボエラは自分の死を予見するかの様な夢にうなされていた。
先ずはハドラーちゃんがザボエラの眼前に出現して、
「ザボエラよ。俺はお前の卑劣で信頼とは無縁な性格が前々から嫌だった。だが、この俺に次ぐ強大な魔力をただ腐らせるのは非常に勿体無い。そこでだ、このまま貴様の性格が改善されなければどうなるか……お前にハッキリと魅せてやろう。ありがたく思え」
すると、背景が急に移り変わり、気付けは何故かロロイの谷におり、そして何故か匍匐前進もままならない程疲れ果てていた。
(な、何故じゃ?なぜこの儂が、こんなに疲れ果てて魔力も尽き
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