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Fate/WizarDragonknight
冬への逆行
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ザードから離れていく。
 彼らの目先は、まだ避難がなされていない地区。まだ脅威に晒されていない人々が、グールの姿を見るや否や逃げ出している。

「こっちに集中してよ!」

 ウィザードは大きくジャンプし、グールたちの前に飛び出る。振り向きざまに赤い斬撃で、数体のグールを爆発させた。

「こうなったら、新しい指輪の出番かな」

 ウィザードはそう言って、これまで指を通したことのない指輪を手にする。

『ルパッチマジックタッチゴー ルパッチマジックタッチゴー』

 ウィザードライバーが操作され、その手の向きが入れ替わる。
 魔法の発動条件である魔術詠唱がなされ、ウィザードが掲げた指輪の魔法が発動する。

『エキサイト プリーズ』

 新しく作り上げた魔法。
 魔法陣がウィザードの全身を覆い、その効力が発動する。
 魔力でみなぎるウィザードの体。それは、真逆の性質である筋肉によって作り変えられていく。
 果たしてそこには、上半身のみが巨大化したウィザードがいた。逆三角形のマッスルボディを誇る、強烈なインパクトを放つウィザードが。

「ええっと……こういうときは、こういうポーズすればいいのかな?」

 うろ覚えのサイドチェストを披露し、拳を固めてグールたちを叩き潰す。
 魔法(物理)の力が、次々とグールたちを拳の染みにしていく。ウィザードの張り手が、文字通り数体のグールたちをペラペラに押しつぶしていく。

「は……はは。凄いな、これ」

 魔力の効果が切れた。
 本来の姿のウィザードなのに、少し寂しく思える。
 折角最近強くなったのになあ、とウィザードは自らの赤いローブを振る。

「さて……最後はお前だけかな」

 ファントム、アルゴス。
 もう、先回りしてゲートを狙うことは難しいと認めたのだろう。そのすべての目が、ウィザードを向いている。

「さて……どの魔法で行こうか?」

 新たな指輪へ手を伸ばそうとしたとき、ウィザードはその手を止めた。

「え?」

 おかしい。
 そう感じたのは、ウィザードだけではないようだ。
 アルゴスも、たちまちに色を変えていく周囲に目を見張る。

「何だ? いきなり、冬に逆戻りしたのか?」

 そうとしか思えない。
 五月の大型連休も終わったというのに、体が震えを覚えるような気温になっていたのだ。
 やがて、寒さの象徴たるものが、視界に飛び込んでくる。

「……雪?」

 白く儚い気象現象に、ウィザードは思わず手を伸ばした。
 手のひらの一点を白く染め、瞬く間に溶けていくそれ。
 溶けていく雪の結晶を胸元に引き下ろすと同時に、今度は世界が白く染まり出す。
 足元が徐々に色を変え、温かい色を書き換えていく。木組みの街
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