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色々と間違ってる異世界サムライ
第8話:強者の矜持
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む!?
マリアンヌの匂いが強まった!?
この近くか!?
橋の先には閉められた大きな扉があった。粘液はその扉の向こうまで続いている様だった。
ただ……
複数の足跡が聞こえ、左右から武装した男達が現れ扉の前で並ぶ。そのどれもが大きな体格に盛り上がった筋肉を有し、頭部らは二本の角を生やしている。
間違いない魔族だ!
どうやら、あの『粘液は足跡にして罠』と言うツキツバの見立ては、あながち見当違いじゃなさそうだ!
「のこのことこんなところにまで来るとは、ヒューマンってのは愚かな種族だな。お前達、好きにしていいぞ」
指揮官らしき男が兵に指示を出す。兵は雄叫びを上げて次々に曲刀を抜いた。
そうか!この騒動は魔族の仕業だったのか。
魔王が出現した事で動きが活発化しているとは聞いていたが、まさかこんな場所にまで入り込んでいたとは驚きだ。
で、私やウララがやる事と言えば、
「ツキツバ!此処は私に任せて先に往け!」
「マリアンヌ様をどうかお助け下さい!」
この中で1番強いのは、間違いなくツキツバだ!
なら、勝てる見込みが1番多いツキツバに敵大将をぶつけるのが勝利の筋ってもんだ!
「承知!」
そう言うと、ツキツバは立ち塞がる魔族を斬り捨てながら扉へと突き進む。
そして、重い音を響かせて開いた。

月鍔ギンコperspective

「ぐふふふ、ようやくペットの餌が来たようだな。待ちわびたぞ」
広大な部屋の中央に、幼き頃に読んだ書物に書かれておった『象』の様に馬鹿でかいナメクジがいた。
そ奴は背中から無数の触手を生やしており、10人以上の人々をぶら下げている。
その前には、肥え太った鬼の様な厭らしい男が自信満々に立っていた。
「そなたが御大将か!?」
「いかにも」
先程セツナ殿達に任せた雑兵とは比べ物にならない闘気を感じる。まさかとは思うが、こやつらは強さの強弱で階級や役割を決めておるのではあるまいな?
「まあ……貴様が敵の大将であるなら、貴様を斬る!」
某が刀を脇構に持つが、敵大将は焦らず偉そうに口上を紡ぎ続けた。
「まあ焦るな……俺様は実に親切な男だ。冥土の土産に少しくらい話をしてやろうじゃないか」
「なっ!?」
不覚!
ナメクジの触手が素早く伸ばされ某を縛り上げる。そのまま高く持ち上げられた。
「実はこの街は地下水路によって辺境の街と繋がっているのだ。もし辺境の街とここを押さえる事が出来れば、格段にこの国を落とし易くなるだろう。だがしかし、その為にはまず邪魔な領主を始末しなければならない」
なんたる卑劣!
ロアーヌ殿の首を獲る為にこの様な回り諄い事をしておったのか!?

その時、某は父上の言葉を思い出した。
「よいかギンコ!我々侍は、武士として常に清く正しくなければならぬ!侍が斬って良
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