ホビットの穴
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外す。
『コネクト プリーズ』
指輪は、即座にベルトのホルスターに押し当てられる。
すると、発生された音声が魔術の詠唱となる。魔法陣が出現し、ハルトがそこに手を突っ込むと、その中から銀の銃が姿を現した。
ハルトが体を大きく振るいながら発砲。すると、銀の銃弾がそれぞれ意思を持つかのように、グールたちを撃ち抜いていく。
ウィザーソードガン。
それを回転させながら肩にかけるころには、ファントムはすでに足を止め、ハルトへ目を向けていた。
「お前、一体何者だ!?」
「通りすがりの魔法使いだよ」
「魔法使い……? そうか、お前が指輪の魔法使いか!」
ファントムは目をギラギラと輝かせる。
「こいつはいい。あの魔法使いを絶望させたとすれば、このアルゴス様も名があがるってもんだ」
アルゴスと名乗ったファントムが、何度も頷く。
「できればね?」
ハルトはそう言いながら、別の指輪を腰に押し当てる。
すると、あらかじめ付けられた指輪がベルトに作用し、その魔法の力の断片が露わになる。
『ドライバーオン プリーズ』
銀でできたその銀のベルト、ウィザードライバー。
中心部に黒い掌を象ったバックル、その左右に付いているレバーを操作した。すると、ウィザードライバー内部に仕組まれている機構が操作される。
すると、ウィザードライバーの手の形をしたバックルが反転する。
『シャバドゥビダッチヘンシーン シャバドゥビダッチヘンシーン』
ベルトより、流れるようなハイテンポな音声が流れていく。魔法の詠唱を本人に代わって行うシステムに構うことなく、ハルトは腰のホルスターからルビーの指輪が左手に取り付けられる。
ルビーの指輪に下ろされるカバー。それはまるで、ルビーの顔のように見えるが、その中心部には赤い装飾も追加されていた。
再びハルトの目が赤く染まり、その顔に薄っすらと人の道を外れた紋様が浮かび上がる。
「俺はもう……自分のことを自分自身に隠したりしない」
内に秘めた魔力を半分露わにしながら、ハルトは叫んだ。
「変身!」
『フレイム ドラゴン』
そして、指輪を当てるとともにベルトより発動する魔法。
深紅の魔法陣が指輪より発生するのと同時に、ハルトの体から、赤いドラゴンの形をしたエネルギーが飛び出す。
ドラゴンのエネルギーはハルトの体を旋回しながら、そのまま吸い込まれていく。
同時に魔法陣がハルトの体を通過していく。
『ボー ボー ボーボーボー』
ウィザード フレイムドラゴン。
ルビーの仮面を付けた、ドラゴンの頭部を模した胸元が特徴のそれは、その深紅のローブを翻す。
それが、進化した新たなウィザードの姿だった。
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