七十八 雨垂れ石を穿つ
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のではないことが窺えた。
(奴を中心に辺りが全て吹き飛ばされている…何だこれは)
家々の瓦礫に埋もれて、敵の様子を窺う。
黒衣に赤き雲といった『暁』の象徴たる服をなびかせて佇むペインを注視していたカカシは気づけなかった。
背後から迫る、もうひとりのペインの存在に。
「しま…ッ、」
「【口寄せの術】…!」
黒衣に朱の雲。
『暁』の象徴たる衣を翻して術を駆使する敵のひとり。
普通の【口寄せの術】とは違う特別な口寄せで出現する珍しい巨大な獣達の猛攻に、忍び達は苦戦していた。
「くそ…!こんな口寄せ動物は初めて見る…!」
「アレを相手にするより術者を捜し出すのが得策だっ」
突如、木ノ葉の里に現れた巨大な獣の数々。
何れも特殊な能力を持ち、且つ、巨体を活かして建築物を圧し潰す口寄せ動物達の対処に追われていた木ノ葉の忍び達は、防戦一方で他人を気にする余裕などない。
だからこそ隙ができる。
「九尾の人柱力──波風ナルは何処にいる?」
口寄せ動物にばかり気を取られていて、もうひとりの敵の接近を易々と許してしまった。
自来也と死闘を繰り広げたペインの正体を暴く為に情報を集めていたシズネに標的を定める。
気づいた時にはもう遅い。
ペインの手が脳を覗くように、シズネの頭に伸ばされ──。
「まったく。女性はもっと丁重に扱うべきだよ」
その手は空を切った。
「元四代目水影としては見過ごせないな」
シズネを奪還した子どものような風貌の彼は、鉤爪と緑色の花が付いた棍棒をくるり、と回す。
三尾の人柱力であるやぐらと背中合わせになった四尾の人柱力──老紫は「そんじゃワシは口寄せの術者を焙り出すとするか」と赤い髭の下で口角を吊り上げた。
「「さて、では──」」
「こいつ…術を吸い取りやがる…」
「チャクラを吸い取るなんざ、厄介な…」
木ノ葉の里で多数の忍びに囲まれていながら微塵も微動だにせず、堂々と術とチャクラを吸収する。
黒衣に朱色の雲。
『暁』の象徴たる黒衣を翻す大柄な男を取り囲みながら、じりじりと様子を窺っていた忍び達は二の足を踏んでいた。
「やれやれ最近の若いもんは…」
瞬間、大柄な男の巨体が軽々と吹っ飛ぶ。
吹き飛ばした相手もまた、吹き飛ばした相手に負けず劣らずの巨躯だった。
「チャクラを使えんのなら他にやりようはいくらでもあるんだで」
顔の大半を鎧で覆っている為、表情は窺えぬが、高身
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ