第二章
[8]前話
事情を話してメリザンドのことを頼むとだった。
「上手くいったな」
「ええ、この通りね」
娘はメリザンドを抱いて父に笑顔で応えた。
「保護してね」
「ゴミ袋も切ったな」
「この娘私には懐いてくれて」
そうしてというのだ。
「ご飯あげたらね」
「近寄ってきてだな」
「こうしてね」
保護をしてというのだ。
「助けられたわ」
「ゴミ袋も切ったな」
「ええ、それじゃあね」
「その子は保護したしな」
それでというのだ。
「それじゃあな」
「保護施設でね」
「これからは暮らしてもらおう」
笑顔でだ、父は娘に話した。そうしてだった。
メリザンドはロズウェル達が運営している施設に入った、そしてそこにいる猫達とすぐに仲よくなり幸せに暮らしたのだった。
その話をインターネットで知ってだ。
ペンシルバニア州モーガン=ソーンで猫の保護活動をしているミシェル=クライン長い波がかった茶色がかった金髪にすらりとした長身に面長で整った顔立ちの彼女が夫のヘリックきりっとした顔立ちで眼鏡をかけた中背で金髪を整えた公務員の彼にこの話をした。
「テキサスでね」
「そうしたことがあったんだ」
「ええ、何かね」
「うちの子と似てるかな」
「ネイレブとね」
「ニャア」
白地でところどころ黒い模様のある年老いた老猫を見た、見れば今はくつろいでいる。
「そうよね」
「そうだね、ネイレブは最初ゴミ捨て場にいて」
「そこで君が保護して」
「お家に連れて帰って」
「今も一緒にいるけれど」
「猫は。人も犬もね」
妻は夫に悲しい顔で話した。
「ゴミの傍にはね」
「いるものじゃないね」
「そうよ、ネイレブもかなり弱っていて」
「何とかね」
「元気になったから」
「僕達が必死に世話をして」
「そうなったから。猫がゴミ捨て場に近寄らない様な」
そうしたというのだ。
「そんな環境にしたいわね」
「そうだね、そうすることがね」
「本当に大切なことよ」
「その通りだね、そうした社会にしていこう」
夫は妻の言葉に頷いた、そうしてだった。
二人であらためてネイレブを見た、すると。
寝ているところにだった。
家の先住猫、黒い雄猫のホセと白い雌猫のミカエラが来てだった。
「ニャア」
「ニャオン」
ネイレブに挨拶をしてからだった、一緒にだった。
丸くなって寝た、夫婦はそんな彼等を見て優しい笑顔になった。そしてあらためて猫がゴミ捨て場に近寄らなくて済む様な社会にしようと思うのだった。
心優しき女性達が 完
2023・11・29
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