第二章
[8]前話 [2]次話
「阪神が日本シリーズ出るなんて」
「ははは、そやな」
「確かに滅多にないわ」
「この前出たんは二〇一四年やった」
「ホークスに負けたわ」
「最後守備妨害で終わりやったわ」
「あれは無念やった」
老人はまさにそうした顔で述べた。
「和田さんの抗議の横でや」
「ホークス胴上げやったら」
「それもペイペイドームで」
「一勝したと思ったら四連敗」
「止めにそやったな」
「その前は三十三対四でや」
老人は悪夢の話もした。
「ロッテにくそみそやったな」
「あれは酷かったな」
「今も語り継がれてるわ」
「惨敗言うたらあれや」
「三十三対四や」
「それになるわ」
「そしてその前は甲子園でホークスに負けたし」
この時はソフトバンクでなくダイエーであった。
「昭和もな」
「東映に負けて南海に負けて」
「というかホークスよお出るな」
「あのチームとは因縁あるな」
「というかシリーズ一回も勝ってへんな」
「まあホークスは置いておいて滅多にな」
老人はあらためて話した。
「阪神はシリーズに出んからな」
「それでやな」
「応援も殊更凄くなるな」
「普段と比べて」
「シリーズやと」
「この応援が後押しになれば」
阪神ファンの熱狂的なそれがというのだ。
「若しかすれば」
「若しかするな」
「阪神日本一やな」
「そうなるな」
「甲子園の応援は別格や」
熱狂的な阪神ファンで埋め尽くされるそれはというのだ。
「ほんま球場が揺れる」
「そこまで凄いからな」
「只でさえわし等熱狂的って言われてるのに」
「そのファンが大きい甲子園埋め尽くすんや」
「その応援は壮絶なもんになる」
「それで阪神を応援するさかいな」
「後押しにもなる、球場の雰囲気もな」
これもというのだ。
「チームをや」
「後押しして」
「優勝させるな」
「日本一に」
「その時が来ればな」
こう周りに話した、だが。
三戦目はオリックスが勝った、これでオリックス優勢となった。甲子園でオリックスが勝ったことは大きいと思われた。
だが四戦目も甲子園は阪神ファン達で埋め尽くされていた、そしていつもよりもさらに熱い応援をしていたが。
試合は五分と五分だった、そんな中で阪神側にエラーも出て試合の流れはわからなくなっていたが。
ここで岡田が動いた、監督の彼は審判に告げた。
「ピッチャー交代か」
「一体誰や」
「誰を出すんや」
「一体」
「ここで打たれたらやばいが」
「誰や」
「わからんな」
老人も展開がわからなかった、それで首を傾げさせていた。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ