第三幕その六
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「日笠さんの言われる通りに」
「してくれますか」
「はい」
微笑んで答えました。
「その様に」
「それは何よりです、本当にです」
日笠さんはここでまたお顔を赤くさせて言いました。
「お気持ちが嬉しいです」
「僕のですか」
「本当に」
こうも言ったのでした。
「充分です」
「そうですか、ただ」
「ただ?」
「いえ、日笠さん大丈夫でしょうか」
先生のお顔を見て言うのでした。
「一体」
「何がでしょうか」
「風邪でしょうか」
こう言うのでした。
「ひょっとして」
「いえ、別に」
「違いますか」
「風邪でしたら」
それならというのです。
「体温は普通です」
「そうですか」
「本当に」
「ならいいですが」
「心配は無用です」
慌てて言う日笠さんでした。
「本当に」
「そうですね、言われてみればお顔は赤いですが」
先生はお医者さんとして日笠さんを見て言いました。
「動きもです」
「問題ないですね」
「はい、全く」
このことがわかりました。
「咳もくしゃみもなくこれといってです」
「おかしくないですね」
「それを見ますと」
それならというのです。
「風邪でも何でもです」
「ないですか」
「大丈夫ですね、では」
「はい、今日はですね」
「中華街で楽しい時間を過ごしましょう」
「ラーメンも食べて」
「そちらが本題ですし」
明るくお話してでした。
先生は日笠さんと皆へのお土産の品を選んで買いました、そこで日笠さんにもちゃんと中華風のハンカチを買いますと。
「いいんですけれど」
「いえいえ、折角ですし」
紳士である先生は微笑んで言うのでした。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい、折角ご一緒させて頂いていますから」
「だからですか」
「どうぞです」
こう言ってでした。
日笠さんにハンカチを渡しました、すると日笠さんはとても嬉しそうでした。
そしてお買いものの後で日笠さんが紹介するお店に一緒に入ってです。
ラーメンを注文しました、そしてお醤油のスープのそれを食べますと。
「美味しいですね」
「そうですよね」
二人用の席に向かい合って一緒に食べてです、日笠さんは笑顔で応えました。
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