第三幕その四
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「訳がわからないよ」
「誰だってそうしますよ」
トミーが言ってきました。
「本当に」
「そうなのかな」
「そうですよ、こうした時は」
「一緒にラーメンを食べに行くんだよ」
特に何もないといった口調でのお言葉でした。
「だったらね」
「特にですね」
「皆が一緒でもね」
トミーの後ろにいる皆を見て言います。
「いいと思うけれど」
「全然よくないから」
「保護者同伴と一緒よ」
「こうした時に親御さん一緒とかね」
「ある筈ないから」
「先生わかってないにも程があるよ」
「そうかな。けれどね」
それでもと言う先生でした。
「二人でいいんだね」
「全然いいから」
「日笠さんとね」
「だからもうあれこれ言わないで」
「先生行って来てね」
「待ち合わせ場所までね」
「それじゃあね」
先生は頷きました、そして行こうとすると王子は笑って言いました。
「こうした時先生がいつも正装でいいよ」
「僕は外出の時はね」
先生は笑って応えました。
「いつもだよ」
「スーツと帽子でね」
「そして革靴だよ」
「ネクタイも締めてね」
「しかも皆がアイロンかけて磨いた」
手入れもしたというのです。
「きちんとしたね」
「身なりだね」
「だったらこうした時もね」
まさにと言う王子でした。
「本当にね」
「いいんだ」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「申し分ないよ」
「お家の中だとくつろぐけれどね」
「作務衣姿でね」
「けれどね」
それでもというのです。
「外出の時は僕はね」
「絶対にスーツだね」
「それで出るからいいんだ」
「こうした時もね」
「そうなんだね、それじゃあ」
「行って来てね」
「そうさせてもらうよ」
皆に笑顔で行って来るよと言ってでした。
先生は日笠さんとの待合場所に一人で赴きました、そしてそこには膝までの奇麗な赤いスカートと白いブラウスを着て髪の毛をセットしていつも以上にメイクもして赤いヒールを履いた日笠さんがいました。
先生はその日笠さんを見て驚きました。
「待合時間の十分前ですが」
「そうですね」
先生は懐中時計で日笠さんは腕時計で時間をチェックして言いました。
「まだ」
「そうですが」
「実は早く来てしまいました」
日笠さんは少し苦笑いで答えました。
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