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ドリトル先生とラーメン
第三幕その三

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「もう」
「そうなんだね」
「そうですよ、そうならない筈がないです」
「あの先生本当にね」
 王子も言ってきました。
「皆が言うけれどもっと周りをね」
「見ることなんだ」
「特に日笠さんをね」
 他ならないこの人をというのです。
「そうするんだよ」
「そうなんだ」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「わかるんだよ」
「わかる、ね」
「そうだよ」
「それに先生はご自身のことがわかっていないです」
 トミーの口調は咎めるものになりました。
「残念ですが」
「そう言うんだ、トミーも」
「多少己惚れてもいい位ですよ」
「いやいや、己惚れは絶対に駄目だよ」
 先生はそれは断りました。
「何があっても」
「それは町外の元ですね」
「そうなるからね」
 だからだというのです。
「それはね」
「駄目ですね」
「うん、己惚れたら」
 それこそというのです。
「何でもね」
「失敗につながりますね」
「そうなるからね」
 だからだというのです。
「本当にね」
「よくないですね」
「己惚れ、慢心の類はね」
 先生はさらに言いました。
「失敗の原因だよ」
「うん、慢心しないのは先生の長所だよ」
 王子はそのことはいいとしました。
「だから先生は謙虚で学問にも励んでいるね」
「いつも自分にそうした気持ちを持たない様に言い聞かせているよ」
「けれど自分を否定することはね」 
 このことはというのです。
「本当にだよ」
「よくないんだ」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「己惚れや慢心は駄目でも」
「それでもなんだ」
「自信というか自己否定はね」
 これはというのです。
「本当にね」
「よくないんだ」
「そうだよ」
 本当にというのです。
「何でもね、そのうえでね」
「周りを見るんだ」
「特に日笠さんをね」
「そうすればいいんだね」
「そのうえでね」
 さらに言う王子でした。
「日がさんさんと中華街に行って来てね」
「それじゃあね」
 先生もこのことには頷きました、そうしてです。
 先生は日曜日に日笠さんと中華街に行くことになりました、その朝にご飯を食べて歯を磨いてお顔を洗ってお髭も剃った先生にです。
 動物の皆は強い声でこう言いました。
「僕達今日は行かないから」
「お家で待ってるからね」
「お二人で楽しんできてね」
「そうしてきてね」
「いつも一緒なのに」 
 先生は皆にどうしてかとなりました。
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