第三幕その二
[8]前話 [2]次話
「またもてないって言うんだ」
「そうなんだ」
「その外見と運動音痴で」
「そのせいで」
「あのね、先生」
ガブガブが言ってきました。
「先生は自分を知らなさ過ぎるのよ」
「そうだよ先生」
ダブダブも言います。
「もっと自分をよく見るんだよ」
「そうすればわかるよ」
ジップはガブガブとダブダブに続きました。
「本当にね」
「全く。何でも冷静に広く見る人なのに」
「こうしたことは全くなのよね」
チープサイドの家族もやれやれとなっています。
「何がどうなっても気付かないから」
「困るよ」
「世の中先生位いい人そうはいないよ」
こう言ったのはトートーでした。
「僕達が断言するよ」
「先生いつも大事なのは性格だって言ってるじゃない」
ホワイティが指摘しました。
「そうだね」
「それなら先生は言うことなしだよ」
老馬はホワイティを背中に置いて言いました。
「まさにね」
「そんな先生だとどうかしら」
ポリネシアは先生に問う様に言いました、
「果たしてね」
「もう答えは出ているよ」
「既にね」
オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「言うまでもないよ」
「僕達も」
「後は先生次第だよ」
チーチーはきっぱりと言いました。
「ちょっと見ればわかるよ」
「ううん、皆の言うことはわからないけれど」
やっぱりこう言う先生でした。
「兎に角日曜行って来るよ」
「わかってないし」
「まあ絶対にそうだって思ってたけれどね」
「いや、それでもだよ」
「先生行って来てね」
「それじゃあね」
先生は皆の言葉に頷きました、そうしてです。
お家でもトミーそれにお邪魔していた王子に対して日笠さんのことをお話すると二人にも言われました。
「日笠さんは絶対にと思ってました」
「頷いてくれるってね」
「ですが先生ちょっと」
「よくないね」
「日笠さんのことになるといつも皆から言われるけれど」
先生はお家の中でもどうかというお顔で応えました。
「二人もだね」
「それは言いますよ」
「言わずにいられないよ」
二人で先生にさらに言いました。
「本当にね」
「そうしないでいられないです」
「先生が全く気付かないから」
「そうですから」
「気付かないんだ、しかしね」
それでもというのでした。
「日笠さんは随分嬉しそうだったね」
「それはそうですよ」
トミーは日笠さんがそうであることを当然と返しました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ