第3部
ジパング
新たなる国
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を吐いた。
「おいおい、疲れてるのはお前だけじゃねえんだぞ」
「だってナギちん、今回お酒一滴も飲めなかったんだよ? ヤバくない?」
「ヤバイのはお前の思考だ」
横から口を挟んできたユウリが、呆れたようにシーラを横目で見る。
「で、でもさ、オロチも倒せたし、何よりオーブが見つかって良かったよね!」
フォローしながら私はユウリの鞄に目をやる。そう、屋敷を出る前に神父に会っただけではなく、私たちはアンジュさんが記した宝も探し出したのだ。
するとその中に、紫色に輝くオーブも入っていたのである。
宝は祈祷部屋の床下に埋まっていたが、その中に鍵のかかった宝箱があった。早速最後の鍵を使い開けると、中にはパープルオーブが入っていたのだ。
「けどよ、なんでオーブだけ鍵のついた箱に入ってたんだ?」
ナギの疑問にすぐさま答えたのはユウリだ。
「おそらくあの箱にオーブを入れたのはアンジュだ。それにオロチが気づかないまま、ずっとあの部屋で保管されてたんだろう。魔物が執拗に狙う代物だ。最後の鍵でなければ開けられないよう鍵穴に細工をしたのも、オーブが魔物の手に渡らないよう警戒したに違いない」
ユウリの言う通り、幸いにも今までオロチがオーブに気づくことはなかったが、もし魔物の手に渡っていたらと思うとゾッとする。
「とにかくこれで、六つのうちの半分が見つかったね!」
終わりよければすべて良し。私はホクホク顔でユウリに言うと、彼はすべてを台無しにするかのように私の鼻をつまんだ。
「んぎっ!?」
「何言ってるんだ。残り三つは手がかりすらないんだぞ。その手がかりを探すだけでどれだけ時間がかかると思ってるんだ」
憮然とした顔でそう言うと、ぱっと手を離した。だからって人の鼻をつまむのは良くないと思う。
「もうっ、二人ともイチャついてないで早く帰るよ?」
『イチャついてなんかないっ!!』
シーラの的外れな発言に、私とユウリは揃って否定する。何処をどう見たらそう見えるんだろう?
ともあれオーブも残り三つとなったが、それ以外にもガイアの剣探しや自分たちのレベルアップなど、やることは山積みだ。私たちは新たな目的のため、次なる目的地を目指すのだった。
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