第一部
三月の戦闘 U
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の体が傷つくのだから回避不可。しかも、その幻影と戦っている間に翔希が攻撃してくるのだ。これほど極悪な権能もあまりない。
「まぁ、本来呪術とかが効かないカンピオーネや神々に強制的に幻影を見せるんだから、呪力の消耗は激しいんだが・・・。」
と言いながら、翔希は”黒の剣”を構える。
「今、お前を倒すくらいなら、楽勝だぞ・・・?」
コレはハッタリだ。今の彼は『未来視』と『幻影』の同時発動で、かなりの勢いで呪力を消耗している。全力で戦闘が出来るのは、あと十分くらいか。だが、倒しても倒しても現れる幻影に対処しているドニには、それを考える程の余裕はない。
「これ以上やるなら、本当の殺し合いになる・・・!」
(頼む!帰ってくれ!)
内心祈りながら翔希はドニを見つめた。既に『幻影』は停止している。
「・・・・・・。」
ドニの長い沈黙の後・・・
「う〜ん・・・。今殺しちゃうと、勿体ないよねぇ。たった一柱のまつろわぬ神を殺しただけで、これ程の力を持ってるんだもんね。」
うん!と自己納得すると、ドニは眩しい笑顔を向けた。
「今日はこれで帰るよ。次に会うときには、もっと強くなってね!僕ももっと腕を上げるからさ!」
ハッハッハ!と朗らかに笑いながらドニは去っていった。翔希は、その後ろ姿をポカンと見つめ・・・
「アイツ、絶対自分が勝つと納得してやがった・・・!」
恐らく、まだ隠している権能があるのだろうが、あの自信はムカついた。彼は、スッキリしない表情のまま、また海を眺めるのだった。
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