暁 〜小説投稿サイト〜
カンピオーネ!5人”の”神殺し
第一部
三月の戦闘 U
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
の体が傷つくのだから回避不可。しかも、その幻影と戦っている間に翔希が攻撃してくるのだ。これほど極悪な権能もあまりない。

「まぁ、本来呪術とかが効かないカンピオーネや神々に強制的に幻影を見せるんだから、呪力の消耗は激しいんだが・・・。」

 と言いながら、翔希は”黒の剣”を構える。

「今、お前を倒すくらいなら、楽勝だぞ・・・?」

 コレはハッタリだ。今の彼は『未来視』と『幻影』の同時発動で、かなりの勢いで呪力を消耗している。全力で戦闘が出来るのは、あと十分くらいか。だが、倒しても倒しても現れる幻影に対処しているドニには、それを考える程の余裕はない。

「これ以上やるなら、本当の殺し合いになる・・・!」

(頼む!帰ってくれ!)

 内心祈りながら翔希はドニを見つめた。既に『幻影』は停止している。

「・・・・・・。」

 ドニの長い沈黙の後・・・

「う〜ん・・・。今殺しちゃうと、勿体ないよねぇ。たった一柱のまつろわぬ神を殺しただけで、これ程の力を持ってるんだもんね。」

 うん!と自己納得すると、ドニは眩しい笑顔を向けた。

「今日はこれで帰るよ。次に会うときには、もっと強くなってね!僕ももっと腕を上げるからさ!」

 ハッハッハ!と朗らかに笑いながらドニは去っていった。翔希は、その後ろ姿をポカンと見つめ・・・

「アイツ、絶対自分が勝つと納得してやがった・・・!」

 恐らく、まだ隠している権能があるのだろうが、あの自信はムカついた。彼は、スッキリしない表情のまま、また海を眺めるのだった。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ