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Fate/WizarDragonknight
シスト
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他にもパズルや小型チェスも考えました」
「老後も安心の趣味だね」

 ハルトは「ほーっ」と感心して、チノのボトルシップを見つめる。
 青い水面に白い波と、海を表現する条件を軽く満たしているそれは、果たして何で出来ているのかが気になってきたハルト。むしろ持ってきた指輪を彼女の難破船と交換したい欲求に駆られてしまう。

「そういえば、こういうの作ってるって言ってたね。もはや匠の技に見えてくる」
「さあ! それじゃあ早速、探しに行こう! シストスタートだよ!」



「全然全くこれっぽっちも分かんないよ!」

 可奈美が叫んだ。
 かれこれ三十分も木組みの街を練り歩いているが、地図が指し示す場所に辿り着かない。
 ラビットハウスをスタート地点として、木組みの街を隅から隅まで進む。だが、地図に記されている次の目印が見当たらない。

「ブロックが…三つ、四つ……」

 通過するブロックを何度も数え、ハルトは「やっぱりここだよね」と選んだ通路で足を止める。

「でも、この通路行き止まりなんだよね……ねえ、チノちゃん。これってどこのことかわかる?」
「甘兎庵以外の手がかりが書かれていないので分かりません……」

 ハルトへ、チノが答える。
 木組みの街生まれの彼女でさえ、地図の地形にピンとこないようだった。

「地図の配置から、この辺りだと思うんですけど……」
「甘兎庵とラビットハウスから見て北側でしょ? これでいいはずなんだけどね」
「私もちょっといい?」

 可奈美が声をかける。
 ハルトは「はい」と、地図を手渡す。

「……あれ? ハルトさん、これ、こっちじゃない?」

 可奈美は何度か地図と通路を見比べ、全く別の方角を指差す。

「え? そっち?」
「うん。だって、ここがこうで、あれがあの建物でしょ?」

 可奈美は地図に一際大きく書かれているブロックと、少し離れた建物を指し示した。
 ハルトは目を見開きながら可奈美が手にする地図を見下ろす。
 ハルトから手渡された時の都合から、ハルトが見ていた時から九十度傾いている。

「この地図、上が北じゃないの!?」
「うん。私もちょっとわからなかったけど、こっちから見た方が、ラビットハウスからだと分かりやすくない?」
「地図って、東西南北方角が決まっているものだと……」
「でも確かに、子供が描いたものですからね」

 チノはそう言って、可奈美が下した地図に視線を落とす。

「可奈美さんの話が正しいとすると、むしろ甘兎庵とは逆方面ですね」
「……ってことは、甘兎庵のマーク、そもそも目印でもないの!?」
「これまた子供が作ったものだから、好きなお店のマークを書き入れたんですね。ちょっと可愛いです」

 チノがくすりと
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