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ドリトル先生とラーメン
第二幕その十

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「何か文句を言うことがいいって考えている人がね」
「いるね」
「うん、批判精神とかいうのかな」
 王子はここでこの言葉を出しました。
「何かに対して間違っていることがわかって言える」
「それが出来る自分は凄いとかね」
「偉いとかね」
「思い込んでいる人がいるね」
「そうだよね」
「歴史でも政治でも文化でもでね」 
 批判対象はというのです。
「間違いを言える、それも堂々と」
「それが出来る自分は頭がよくて凄くてね」
「偉いってね」
 その様にというのです。
「思う人がね」
「世の中いるね」
「うん、他にもね」
 先生は王子に言いました。
「何て書いてあるかわからない難しい文章があるね」
「あるね、日本語にも」
「やたら造語やカタカナの文字を使ってね」
「妙な言い回しでね」
「そんな文章を書いて」 
 そうしてというのです。
「何を言いたいのかね」
「わからない文章を書く人だね」
「それでその文章を読んで」
 そうしてというのです。
「もう無理にでも理解っていうかね」
「理解したつもりかな」
「そうなってね」 
 それでというのです。
「この文章を理解出来た自分凄いってね」
「難しい文章を」
「頭いいって思って」
「ああ、自分を誤解して」
「その文章を書いた人も凄いってね」
「思い込むんだね」
「こんなこともあるよ、けれどこれもね」
 こうしたこともというのです。
「実はね」
「違うんだね」
「それは錯覚だよ」
 先生は断言しました。
「心のね」
「実は頭がいいとか凄いとかないんだね」
「難しい文章を理解したつもりになってもね」
「そして物事に批判したと思っても」
「そうだよ、文句は何とでも言えるし」
 批判のことをこう言うのでした。
「言い掛かりなんて言おうと思えばね」
「その時はだね」
「そう、何とでもね」
「だから偉くないね」
「そして難しい文章なんてね」 
 そうしたものはといいますと。
「実は中身はね」
「ないんだね」
「真理はいつも明解だよ」
 そうしたものだというのです。
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