第二章
[8]前話
「そっちもな」
「雀とか?」
「出るからな、それでそっちは鳴りもの用意して」
そしてというのだ。
「畑にもあるけれどかかしも置いてな」
「荒らされない様にしてるのね」
「生きものはな、しかしな」
ここで夫は妻に口をへの字にさせて腕を組んで言った。
「この通りな」
「どうしたの?」
「ここだよ」
トマト畑でその葉を見せて話した。
「食われてるだろ」
「そうね」
「ニジュウヤホシテントウがやったんだよ」
「虫なの」
「猪とか雀も厄介だけれどな」
「虫の方がなの」
「うちはこれが一番厄介でさ」
それでというのだ。
「昔から気を付けてるんだよ、それでもな」
「つくのね」
「この通りな、また親父とお袋、兄貴達に行ってな」
そうしてというのだ。
「取って農薬もな」
「撒くのね」
「そうしないとな」
「農家も大変ね」
「そうだよ、気候だってあるしな」
妻に苦い顔で話した。
「何かと大変だよ」
「サラリーマンやOLも大変だけれど」
二人は共働きで二人で暮らしている時はそちらで糧を得ているのだ。
「農家もね」
「大変だよ、大変でない仕事なんてな」
「ないわね」
「そういうことだよ」
こう言って妻を連れて近くで畑仕事をしている両親それに兄夫婦に虫のことを話した。そうして畑仕事をしていった。
そして仕事が終わって実家に戻って夕食と風呂が終わってだ、夫は妻に言った。
「明日農薬撒くことになったよ」
「明日はそのお仕事ね」
「ああ、明日も頼むわ」
「わかったわ」
夫の実家にいる間は畑仕事をすることになっているからだ、妻も頷いた。そうして働き農家にとっての敵とその対策についても知っていくのだった。
農家の敵 完
2023・11・19
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