暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
お掃除してたらいいことあったよ
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
彼女のマスターに会いに行きたいな。また改めてさ」
「だな。取りあえず、蒼井とマスターの予定聞いとくぜ。どっかで話せねえか」

 コウスケがポチポチとメッセージを送っている一方、可奈美がどんどん掃除を進めていく。
 彼女は壁に飾られている額縁を外し、雑巾で拭き始める。すると、額縁から何かが零れ落ちた。

「あれ?」

 一度額縁を元に戻し、落ちた物を拾い上げる可奈美。

「何だろ? これ」
「どうしたの?」
「こんなところに何か入っていたんだけど」

 可奈美はそれを広げた。
 古びた四つ折り紙。右下には地図らしきものが残りの三面には、それぞれ別々の記号が記されている。
 覗き込むココアも、可奈美と同様疑問符を浮かべていた。

「地図と……これは、お店のマーク?」
「ラビットハウスと……あ、これって紗夜さんが働いているお店」

 マークに検討を付けた可奈美。ココアが「きっと甘兎庵だね」と補足し、改めて紙を分析する。
 直線による図形が無数に記入されており、見滝原___特に、この木組みの街地区の地図にも見える。

「ちょいっとオレも拝見……コイツは……シストの地図だな」

 コウスケが覗き込みながら言った。

「シスト?」
「地図に宝物があるだろ? ほら、ここ」

 コウスケはそう言って、地図の一点を指差す。

「この地図を作った奴が、ここにあらかじめ宝物を置いておくんだ。んで、地図を持った奴が宝物の中身を自分のものと交換して、また地図をどこかに隠す。まあ、木組みの街じゃたまにある文化だって有名だぜ? ま、宝探しだな」
「お前はやったことあるのか?」
「昔ダチん家行った時にな」

 コウスケは懐かしむように頭の後ろで手を組む。

「実家は見滝原じゃねえけど、ダチがこっちに住んでたからな。ちょくちょく遊びに来てたぜ」
「チノちゃんはやったことあるのかな?」
「ありますよ」

 チノが、そう言いながらホールへ降りてくる。
 私服に着替えた彼女は、可奈美が手にする地図を見下ろす。

「懐かしいですね。街にいくつ地図が隠されているんでしょう?」
「そんなに沢山あるのか……」
「ま、そりゃそうだろ」

 コウスケが苦笑する。

「木組みの街だと、恒例行事みてえなもんなんだろ? 昔から喫茶店を営んでいるんだ。やってねえ方が驚きだぜ」
「この街では、みんなやったことあるんだ……私も、やってみたい」

 ココアが泣きだしそうな顔で呟いた。

「へえ、いいじゃん。可奈美ちゃんも行ってきなよ」

 ハルトはそう言って、可奈美が手にしている雑巾を取り上げる。

「後は俺がやっておくから」
「ダメ! ハルトさんもやろうよ!」
「え? いや、俺もう大人だし……」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ