第二章
[8]前話
「それにミックと」
「ワンワン」
今度はグレーの雄のピットブルを見てだった。
「それにリリーともね」
「ワフッ」
最後は白い雌のブルドッグを見た、そのうえで夫に言った。
「仲よく出来たら」
「いいな、それじゃあな」
「その子迎えるわね」
こう話してだった。
夫婦はその犬、レオを引き取った、するとだった。
「ワン」
「ワンワン」
「ワフッ」
「ワオン」
三匹の犬達とすぐに仲よくなった、そうしてカルフォルニア州の夫婦の家で幸せに暮らしだしたがそのレオを見てだった。
夫は妻に夕食の時に話した。
「レオはケイティが仕事で行くお家の一つにいたんだな」
「ええ、そこで知り合ってね」
「飼い主の人が亡くなってか」
「そう聞いて息子さんが引き取ると思ったら」
それがとだ、妻はハンバーグを食べつつ答えた。
「海兵隊にいて」
「海外に行くことになってか」
「だからね」
「このままだとどうなるかわからないからだな」
「うちでも思って」
それでというのだ。
「あなたに言ったけれど」
「よかったよ、じゃあこれからな」
「息子さんが戻って来て」
アメリカにというのだ。
「それでね」
「家族に迎えると決めるまでか」
「それまではね」
「うちで一緒だな」
「そうしていきましょう」
「いいな、孤独でいるよりは」
夫は妻に言った。
「やっぱりな」
「皆と一緒にいる方がいいわね」
「ああ、それじゃあな」
「レオは息子さんが戻って」
アメリカにというのだ。
「どうするか決めれば」
「引き取るってな」
「息子さんのところに行くけれど」
「それまではうちの家族だな」
「そうなるわ、孤独じゃなくてね」
笑顔で言うのだった、そしてだった。
レオは夫婦の家で三匹の犬達とも仲よくして暮らしていった、やがて元の飼い主の息子が戻って彼を引き取ると言ったがその時まで家で幸せに過ごした、そして別れの時は悲しかったが新しい家でも幸せに過ごしたのだった。
孤独にならなかった犬 完
2023・11・16
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