第二章
[8]前話
「寿司のはじまりとかな」
「江戸時代に出て来たのよね」
「お寿司はな」
「そうしたのを感じさせる様な」
「だったらな」
兄は妹に言った。
「あれだ、馴れ寿司だ」
「馴れ寿司って」
詩織は兄の言葉に驚きの声をあげた。
「ちょっと、ね」
「回転寿司だとか」
「無理でしょ」
「何かそうした感じでな」
「出せないか」
「ああ、どうだ」
「ちょっと会社で提案してみるわね」
無理だろうとだ、詩織は思いつつだった。
とりあえず言ってみようと思って実際に会議の時に新商品として馴れ寿司を言ってみた、そうした感じのものはどうかとだ。
そしてまた実家に帰った時に兄に言った。
「没だったわ、馴れ寿司」
「やっぱり無理か」
「回転寿司ではね」
「ああした感じのものもか」
「無理って言われたわ」
「そうなんだな」
「それでまだお話してるけれど」
新商品のことはというのだ。
「お寿司以外の商品でもね」
「回転すしのメニューは色々あるからな」
「それで今私が考えているのは」
「何だ?」
「カレーね、シーフードカレーね」
こちらだというのだ。
「それにするわ」
「通は通でもカレー通か?」
「ええ、お寿司のお店だからシーフード豊富だし」
この利点があるからだというのだ。
「それを活かしてね」
「シーフードカレーにするか」
「提案してみるわ、うちにはそのカレーないし」
「回転寿司にはカレーあるけれどな」
「提案するわ」
「そうか、じゃあやってみろ」
「そうするわ」
こう言って実際にだった。
詩織は新商品の会議でそのメニューを提案した、すると通りしかも人気メニューになった。それで彼女も喜んだのだった。
本物の寿司通 完
2023・11・16
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