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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第7話
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…大事な仲間を苦しめる奴が現れたら……俺が横から食らいつく!」
「……確か……ロカ……とか言ったか?」

アバンやマトリフの様な派手な呪文が使えないロカは、ハドラーちゃん相手に接近戦に活路を見出そうとする。
「そうそう。俺にピッタリ付かれちゃ、そんな小さな呪文しか使えねぇよな」
確かに、さっきからハドラーちゃんは火炎呪文(メラ)閃熱呪文(ギラ)ぐらしか使用していない。
だが、ハドラーちゃんは逆に呆れてしまった。
「その割には……武器の手入れがなってないな?」
が、ロカはハドラーちゃんの意図とは逆の啖呵を切った。
「別に構わねぇよ。テメーが少しでも弱りゃあそれで良いんだよ。俺は勇者の盾!テメーを最後に叩っ斬るのは、アバンの仕事だ!」
そんなロカの泥臭い根性が、後にアバンがレイラに伝えた「全ての戦いを勇者の為にせよ!」に繋がるのだが、当然、今のアバンが知る由が無い。
それに対し、ハドラーちゃんは鼻で笑った。
「ふっ。見上げた根性だな?ロカ、それがお前のフルネームか?」
が、ロカは反抗的な台詞しか吐かなかった。
「教える義理はねぇ!」
突っ込んで来たロカの斬撃を覇者の剣で真っ二つにするハドラーちゃん。
「惜しいな。そんな安い剣では、貴様の剛力を活かし切れん。もし、生きてサババを出られたのであれば―――」
ハドラーちゃんが言いたい台詞を紡ぐ前に、ロカの右フックがハドラーちゃんの左頬に命中する。
「殴り合い上等だ。お恥ずかしい話だけどよ、正直、キチンと剣を振るより殴った方が強えぐらい不器用でな!」
十数メートルもの距離を転がって、ハドラーちゃんは地に倒れた。
「……やるじゃないか……」
ダメージは軽くない。この戦いの勝敗を左右しかねない一撃だった。
それでも、ハドラーちゃんは笑っている。
「面白い!撲殺(これ)だけでお前の美形(スウィーティ)醜塊(ジャンク)に変えてやろう」
本来なら愚かな判断だ。今のハドラーちゃんはアバンとレイラと戦ったばかりな上に、ロカにさっき左手を斬り落とされたばかり。どう考えてもロカの方が有利。でも、ハドラーちゃんは自分の理想を否定しない。
こうして、ロカとハドラーちゃんの殴り合いは始まった。
「くっ、くたばれバケモノー!これでもか、この、この、このーーーーー!」
「わーーーっははっはっはっははははー」

壮絶な殴り合いの結果、片手しか使えないハンデが重過ぎたのか、ハドラーちゃんはロカに殴られ放題であったが、疲れ果てているのはロカの方だった。
「いやー、大分疲れてきたよーだねえ!」
「お……お前は鋼鉄の肉体か!?」
そう言って、心の中で即座に自身がした質問を否定するロカ。
(いや……鋼鉄だったら1度たたっ壊せばお終いだが、こいつは何回倒しても平気で復活する……言わば
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