第一幕その十一
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「生活力がないとかじゃなくて」
「不器用過ぎるかな」
「全く、私達がいないと駄目なんだから」
ガブガブはやれやれといった口調でした。
「先生は」
「そうそう、先生は昔からこうなのよ」
ポリネシアも言います。
「学問以外は駄目なんだから」
「そんな先生だから僕達は必要だね」
トートーは今使命を自覚していました。
「じゃあこれからも頑張らないとね」
「いや、昔からスポーツと家事は駄目でね」
先生ご自身も言います。
「世事のこともね」
「そうだよね」
「先生はそうなんだよね」
「学問は凄くて人柄も最高だけれど」
「それでもね」
「他のことはね」
「全くだから」
それでというのです。
「皆がいてくれて助かるよ」
「いや、若し僕達がいないと」
「先生果たしてどうなっていたか」
「一体ね」
「わからない位だよ」
「だからね」
先生はお話を続けました。
「僕としてもね」
「私達がいて嬉しい」
「そう言ってくれるんだね」
「先生にしても」
「そうだよ、だからこれからも宜しくね」
笑顔で言うのでした。
「皆とトミーそして王子にも言うよ」
「どうもです、それでなんですが」
ここでトミーがにこりと笑って言ってきました。
「今日の晩ご飯ですが」
「ああ、何かな」
「インスタントでないですが」
こう前置きしてお話しました。
「焼きそばです」
「ああ、あれだね」
「それとお野菜や茸を入れたお味噌汁です」
「そちらなんだね」
「もうたっぷりとです」
それこそというのです。
「お味噌汁にはお野菜や茸をです」
「煎れたんだね」
「豚汁やけんちん汁みたいね」
そこまでというのです。
「入れました」
「栄養の為だね」
「あと焼きそばはソーセージとおソースです」
こちらだというのです。
「ソース焼きそばです」
「そちらもいいね」
「そうですよね」
「トミーはいつも考えているね」
「どういったお料理がいいか」
「そうだね」
「考えてますから」
そうして作っているというのです。
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