【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第6節】はやて、クロノやゲンヤとの会話。
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生き残ったのさ」
「じゃあ、クイントさんには、別に『本名』があったんですね?」
「ああ。クイントの戸籍上のフルネームは、『クイント・パトリツィア・パリアーニ』だ。ただ、本人はその『いかにも貴族っぽい』ミドルネームがあまり好きじゃなかったらしくてなあ。俺も、初対面でいきなり『どうぞ、私のことは、パトリツィアではなく、クイントと呼んでください』と言われたよ」
「具体的には、どんな人やったんですか?」
「クイントも『親には似ていない子供』だったが、俺とは違って、両親からは大変に愛されて育った。クイントは小さい頃から体も丈夫で、魔法の才能にも恵まれ、わずかな魔力しかない両親からすれば本当に『元貴族として』自慢の娘だったそうだ。
15歳の時には、IMCSの都市本戦とやらで優勝したこともある。俺はその方面には詳しくないんだが、出場資格は19歳までだと言うからな。当然、年長者の方が有利で、『15歳での優勝』は今もなお破られていない最年少記録なんだそうだ。
で、その時に好敵手だったのが、メガーヌ・ディガルヴィ・アルピーノ。あの小さなお嬢ちゃんの母親だよ。……まさか、彼女が生きていたとはなあ。これで、早く昏睡から醒めてくれれば、もう何も言うことは無いんだが」
「なんや。師匠、知り合いやったんですか?(吃驚)」
「ああ。もちろん、知り合いだよ。メガーヌは、俺たちの結婚式にも出てくれたし、その二年後には、俺たち夫婦も彼女の結婚式に呼ばれて、クイントがスピーチをした。
あのお嬢ちゃんも、今月中には『どこか遠い無人世界での、極めて厳重な保護観察処分』になるだろうと聞いたが……それって、もうほとんど「流刑」みてえなもんだよなあ。なるべく刑期は短くなってほしいと願っているよ。もしも他に適任者がいねえようなら、俺があのお嬢ちゃんの保護責任者や法的後見人になっても良い」
「実のところ、私も、その役は考えとりました」
「ところで、さっきの質問には、まだ答えてもらえてないみたいなんですが。(笑)」
「チッ、憶えてやがったか。(笑)……まあ、名家ってのは、どこも考え方が古くて、いまだに『結婚は子を成すため。女の価値は元気な子供を何人産んだかで決まる』みてえなところがあってなあ。だから、クイントも、自分が『遺伝子の異常による先天的な卵巣の機能不全』で子供は望めない体だと知った時には、かなり絶望的な気持ちに陥ったらしい。
それで……当時すでに、クイントの兄たちは四人とも、それぞれに名家から妻を迎えていたことだし……両親もクイント自身も、いつしか『結婚相手は、本当に愛し合える相手ならば、家格など気にしない』という心境に到ったんだろうなあ。
60年の夏のことだったかな。当時、俺の上司だった部隊長からの紹介で、俺は初めてクイントと『お見合い
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