暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第2章】StrikerSの補完、および、後日譚。
【第6節】はやて、クロノやゲンヤとの会話。
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17年も前のD−デバイスが今も現役』ってのは、冷静に考えると、かなりとんでもねえ話だよな。当時、一体どれほどの金を注ぎ込んだのやら。
 まあ、家格ってのは、単なる経済力で決まるものでもねえんだが、それでも、クイントは本来、俺なんかとは全く家格が釣り合ってねえ」

「じゃあ、一体どうやって口説き落としたんですか? (とし)もだいぶ離れていたと聞きましたけど。(ニヤニヤ)」
「俺もあまり他人(ひと)のことは言えねえが、クイントの親父(おやじ)さんも、お姉ちゃんっ子でなあ。そのローナさんが嫁いだ翌年だか、翌々年だかに、彼女の『中等科と高等科での親友』だったカーラ・ロヴェーレさんと結婚した。
 四歳も年上で、しかも、まるっきり普通の家柄の出身だ。長男の方がすでに他の名家から嫁さんを貰って家督を継いでいたから、御両親も末っ子のラウロさんには甘かったんだろうな。
 クイントは、そのカーラさんが四十を過ぎてからようやく生まれた女の子だ。それまでは、四人続けて男の子だった」
「五人兄妹とは、また……」
「ああ。性格は『(あね)さん気質』だが、実は、五人目で末っ子だったんだよ。ただし、その兄たちは、四人とも魔力がほとんど無く、(とし)がちょっと離れていたせいもあって、クイントとは昔からあまり付き合いが無かったらしい。
 と言うか、クイントは、兄たちからは少しばかり(うと)まれていたのかもな。本人はよく『自分は「事実上の一人っ子」だった』とか言っていたよ」

「そう言えば、『クイント』は、古いミッド語で『五番目』の意味でしたか? なんや、エルセアの方には、変わった名前の人が多いような気がするんですが……」
「昔のミッドでは、一部に『その子の本名はミドルネームにして、その子の綽名(あだな)の方をファーストネームにする』という風習があったんだよ。当時は、ファーストネームのことを『捨て名』とも呼んでいたんだけどな。これは生まれた時に『ごく適当に』つけた名前で、5歳か6歳になってから、ようやくミドルネームとして本名を付けていたんだそうだ。まあ、乳幼児死亡率がべらぼうに高かった時代の()()りだったんだろうなあ」

【実のところ、「ヒトと言う生物種」は、近代的な医療が無ければ、『新生児の半分ぐらいは満5年以内に死亡して当たり前』という脆弱(ぜいじゃく)な生き物で、だからこそ、昔の女性たちは皆、人口規模を維持するためには、一生のうちに五人も六人も子供を産まざるを得なかったのです。】

「しかし、旧暦の初期に戸籍法が整備されると、それ以降はもう『5歳や6歳になってから、新たに名前を付け加える』なんてことはできなくなったからな。それで、大半の土地では、そうした風習も(すた)れていったんだが、エルセアを始めとするごく一部の地方では、たまたまそれが
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