それぞれの攻防
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「させるか!!」
海王の鎧に身を包み動きを水中での戦いに対応しているエルザはミネルバの攻撃を機敏に交わしていく。しかし、それにより彼女の酸素はみるみる消費されていた。
(まさかこんなに酸素を消耗してしまうとは・・・)
自身の視界に入ってくる気泡がその消耗度合いを物語っていた。対するミネルバは動きを最小限に止め攻撃を仕掛けていることにより、酸素の消耗は比較的少ないように感じる。
(このままでは酸素が尽きてしまう!!何が突破口は・・・!!)
近付こうにも遠距離戦ではミネルバの方が実力は上。どうするべきかと頭を悩ませていると、彼女はあるものを視界に捉えた。
(これを活かせなければ、私に勝ち目はない)
シリルside
ジュビアさんから魔水晶を奪ったムーンさんはこちらをニヤリと笑いながら見つめている。その姿は余裕綽々といった感じで、対するこちらは焦りが出てしまう。
(これはまずい・・・色々と)
敵の動きにこちらは反応できていなかった。それに対応するには目を使っていくしかないが、それによってどの程度酸素を消耗するかが全くの未知数。
(予備はあるけど、戦いの最中に尽きたら付け替える時間がない。でもそれは相手も同じはず)
普通に戦えば俺の方が酸素は長く持つはず。そう割りきり俺は目の魔水晶を発動し敵の動きへと意識を集中させる。
「ほう、それが・・・」
どうやら相手もこの状態のことは把握していたらしい。一瞬動こうか躊躇ったかに見えたが、彼女は構うことなくこちらへと突進してくる。
「見える!!」
しかしそれに今度は反応することができた。難なくそれを交わすと今度はこちらの番、背中を取った彼女へ向けて蹴りを放つ。
「ぐっ」
それは見事に捉えたが、彼女は一回転するとこちらに拳を突き出してくる。しかしそれは届か−−−
「えっ?」
距離があって届かないと思ったその一撃。しかし目測を誤ったのか彼女の拳が俺の腹部へとクリーンヒットした。
「なっ・・・」
そのままダメ押しをしてこようとしていた彼女だが、急いで脚をバタつかせることで距離を取る。おかげで酸素は消耗したが、何とか距離は取れた。
「これは・・・まずいぞ」
敵は水中をものともしない速度で移動できる。それに対応することはできるが、五分五分では決定機を作れない。かといって今は口に魔水晶を咥えているためブレスができないことで、遠距離勝負にも持ち込めない。
「さてさて、どうしたもんかな」
第三者side
「あんたは
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