それぞれの攻防
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泳いできた仮面の女。彼女は二人の射程圏内に入ったかと思うと、ゆっくりと速度を緩めていき、やがて停止する。
「一人で来るなんてずいぶん余裕ですね!!」
相変わらずの大きな声で敵へと本音をぶつけるサクラ。そんな彼女を見て敵はクスクスと笑っていた。
「何がおかしいの?」
「いや・・・まるで成長していないと思ってな」
「「??」」
彼女が何を言っているのかわからなかった二人は顔を見合わせる。しかしその直後、二人は混乱に陥っていた。
「!?ごほっ」
「サクラ!!」
突然咳き込んだサクラ。その理由は咥えていたはずの酸素魔水晶がなくなっていたことにより、吸い込みたかった空気ではなく水を飲み込んでしまい、呼吸が乱れてしまったのだ。
『蛇姫の鱗サクラ!!カウント入るカボ!!』
口からただ魔水晶が外れただけならば酸素切れの時と同様に30秒間の猶予が与えられる。しかし彼女のカウントのスタートは10秒からだった。
「まさか」
それに気が付いたシェリアが敵へと視線を向けると、そこには咥えているものとは違う魔水晶をこちらへと見せつけるように笑みを浮かべている女性がいた。
『サクラ!!退場です!!』
カウントダウンが終わるまでに魔水晶を奪い返すことができなかった・・・いや、そもそもサクラは空気を失った際にそれに気が付けず、すでに空気を使いきっていたため何もすることができずにそのまま失格になってしまった。
「この感じ・・・あんたは・・・」
そこまで言いかけたところでクロノスはシェリアの目の前へと現れ、静かにするようにと自らの唇に立てた人差し指を当て、ニヤリと微笑んでみせる。
「大丈夫、あんたにはこんなことしない。あの時の借りを返すんだからな」
「っ・・・」
自身が相対する敵の正体に気が付いたシェリア。その表情は険しくなっており、動揺しているのが誰から見ても明らかだった。
ドォン
激しくぶつかり合う妖精と虎。二手に別れた彼女たちはそれぞれの技を駆使して敵へと向かっていた。
「接収・アニマルソウル!!」
動物へと変化できるリサーナは水中を得意とする動物へと姿を変えながら敵へと向かっていく。
「開け!!天秤宮の扉・ライブラ!!」
それに対しユキノは重力を変化させ敵を近付かせることを阻みつつ、自身はルーシィを見様見真似で覚えた星霊衣で次々に攻撃を繰り出していた。
「消えろ!!」
その横では両ギルドの最強候補二人による激しい戦いが繰り広げられていた。
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