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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
『天災』にして『天才』
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う? 箒ちゃんが思った以上に動くでしょ?」

『え、ええ……、まぁ』

 通信を介して箒さんの声が聞こえます。嬉しいような複雑なような声。

「じゃあ刀使ってみよー。右のが『雨月』、左のが『空裂』。雨月』は対単一を想定した武装でね、突きの動作に合わせて刃部分からエネルギー刃を連射して敵を蜂の巣に! する武器だよん。射程距離はまあアサルトライフル程度だけど『紅椿』の機動性なら関係ないね」

 その束博士の説明通りに箒さんが右手に持っている刀を構えると、腕を前に突き出して突きを放つ。
 突きが放たれると同時に一瞬箒さんの周りに赤い球体が現れ、レーザーとなって上空にあった雲を穴だらけにする。
 あれで射程がアサルトライフル程度って……それに一発の威力もセシリアさんのレーザーライフルと同等かそれ以上。

「次は『空裂』ねー。こっちは対集団の武装だよん。斬撃に合わせて帯状の攻性エネルギーをぶつけるんだよ。振った範囲に自動で展開するから超便利! そいじゃこいつを撃ち落としてみてね。ほいっと」

 そう言うと同時に束博士はISも展開していないのに16連装ミサイルポッドを呼び出し箒さんに向けて一斉射撃!
え、何……それ。
 しかも展開まで1秒かかってない!

「箒!」

 一夏さんはそれどころではないようで、箒さんに向けて叫ぶけど、それは要らぬ心配でした。

『―――いや、行ける!』

 箒さんが『空裂』を右脇下から振るうと共に帯状の赤いレーザーが広がる。そのレーザーが迫っていた16のミサイルを全て撃墜しました。

「すげぇ……」

 一夏さんの感想はその場の全員の感想でした。何せ箒さんは『紅椿』に乗って稼働時間5分にも満たない。それであそこまで出来れば……十分強い。強いなんてレベルじゃない。『全スペックが現行ISを上回る』という言葉を改めて理解することになりました。
 箒さんが下りてくるまでその場にあったのは関心と言う名の沈黙。誰も呆気に取られて何も言えません。

「た、た、大変ですっ、織斑先生!!」

 その場の空気を崩したのは慌てた声で駆け寄ってきた山田先生。 

「どうした?」

「こ、これを!」

 山田先生が小型端末を織斑先生に渡す。そしてそれをみた織斑先生の顔がいつもより険しくなっていくのが見て分かった。
 そしてその場でものすごいスピードで手話での会話に切り替える。
 これ、普通の手話じゃないですね。一応代表候補生は手話も覚えてるのですがほとんど分かりません。日本独自の暗号手話、と言ったところでしょうか。
 それが終了すると山田先生はそのまま走り去って行きました。

「全員注目!」

 織斑先生が手を鳴らしてその場の全員の視線を集める。

「現時刻よりIS学園教員
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