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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆ヒースクリフの謎
第三十一話 キリトvsヒースクリフ
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じゃないですか。それなのに《神聖剣》は名前だけ見てもなんのスキルなのか全然分からないですし、『神』とか付いてるとすごく特別なものに思えます」
「確かに。茅場晶彦自らがデザインしたのかな?」
「じゃあ、なんでそんな特別なスキルをあの二人は使えるんでしょうか?」
「……シリカ、鋭いね。うーん、確かに妙だな。キリトの話によれば、《二刀流》スキルは『いつの間にか習得していた』スキルらしい。つまり、習得条件があるってことになるね」
「だとするとすごく厳しい条件なんでしょうね。キリトさんしか習得できていないスキルなんて」
「あるいは……これはただの予想だけど、『SAOの中で特定のフロアボスを撃破する』ことが習得条件だったりしたら、撃破した人以外は習得不可になるよね?」
「うーん、確かにそうかもしれませんね。……それが一番あり得る気がします」

 二人は持っている新聞を交換した。マルバはもう一部の新聞に目を通す。
「あれ? これ、『ヒースクリフの《神聖剣》が最初に目撃されたのは第五十層のフロアボス戦でのことだった』って書いてあるね」
「それがどうかしたんですか?」
「いや、五十層って言うと確か――あ、《軍》の一団が一撃で全滅して、それで一度戦線が崩壊したやつだ。あの時ミズキみたいな大盾持った奴が一人でしばらくボスの攻撃を受け続けてたけど、あれがヒースクリフだったのか」
「え!? 単独でボスの攻撃を耐え続けたんですか? しかも、パーティーを一つ壊滅させるような攻撃を!? ……さすがにおかしくないですか、その防御力は」
「うん、神がかってるよね。更にすごいことに、ヒースクリフのHPバーは今まで一度もイエローになったことがないらしい」
「そんなことが……」
「あっ、始まりそうだよ」

 キリトとヒースクリフが入場してきた。オーディエンスが沸く。中央で二人は何か言葉を交わすと、少し距離をおいて向かい合った。
すぐにカウントダウンが始まり、やがてその数値が0を指すと、二人とも同時に地を蹴った。



 それは恐ろしくハイレベルな戦いだった。
 キリトの剣が凄まじい速さで唸り、ヒースクリフは初見にも関わらずその全てをたたき落としている。
 瞬時に攻防が切り替わり、今度はヒースクリフの反撃が始まった。
 盾が光る。
 まっすぐに突き出された盾を、キリトはぎりぎりで回避した。

 一旦二人の間に距離ができた。
 ヒースクリフがキリトに何かを語りかけ、キリトがそれに短く応じる。

 そして再び剣が交わった。
 あんなに重そうな装備のヒースクリフだが、その速さはありえないほど速い。
 キリトの凄まじく速い剣先を、盾で難なく受け止め、隙があらば即座に反撃する。
 気づけば、ヒースクリフの口元はかすかに笑っていた。
 キリトも
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