暁～小説投稿ｻｲﾄ～:魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～第177話：雪解けの輝き

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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～

AXZ編
第177話：雪解けの輝き
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よりも幾分か洗練されていると言うか迷いが無いように思える。
　それはきっと、透自身の目を曇らせていたものが無くなったからかもしれない。

　このまま行けば戦いにも勝てる。そう思った時、突如無数の水色の光弾が透の周囲に着弾した。

「「ッ！？」」
「のこのこと誘き出されたわねッ！」

　光弾を放ったのはファウストローブを纏ったカリオストロだった。アルカノイズの群れを割るようにして姿を現したカリオストロの姿に、透は気を引き締めるようにカリヴァイオリンを構え直した。

　カリオストロ出現の状況は当然本部にも知れる事となる。

「敵、錬金術師とエンゲージッ！　ですが……」

　状況を端的に告げる朔也ではあったが、その声には何処か戸惑いの様な物が混じっていた。何せ現れたのは幹部とは言えカリオストロ1人。先日の戦闘で同じ幹部のプレラーティが、切歌と調の2人掛りとは言え敗れた事を理解しているのなら単騎での行動は危険だと分かっている筈なのだが……

　この不可解な行動に慎次もあおいも困惑を隠せなかった。

「単騎での作戦行動……？」
「陽動……何かの囮でしょうか？」
「むう……」

　勢力的にはともかく、単純に高い戦闘力を持つ人材が限られていると思しきパヴァリア光明結社。その戦力の一画であるプレラーティが先日倒された事から、あおいはこの単騎でのカリオストロの行動を何らかの作戦であると考えた。が、弦十郎はどうにも納得できていない様子だった。

　本部ではカリオストロの行動に不可解さを感じ、次に彼女がどういう行動に出るかと考えを巡らせている一方、透は非常にシンプルに行動していた。

　即ち、カリオストロの即時迎撃である。アルカノイズだけなら透1人でもなんとかなるが、ここにカリオストロが参戦すると途端に状況が悪化する。幾ら透でも、敵の幹部を相手にしながら人々をアルカノイズから守るのは厳しいからだ。

　それでも彼は、やらねばならないと自分を奮起させ早々にカリオストロを退かせるべく攻撃を仕掛けた。素早く接近し、カリオストロの周囲を動き回りながら刃を振るう。

「よっ！　くっ！　とっ！　本当、素早いのねッ！」

　カリオストロは素早い透の動きに何とか対応してみせた。反撃にこそしてこないが、プロのボクサーが相手の攻撃を紙一重で躱す様に両手を顔の前で構え体を逸らしたりして必要最小限の動きで回避した。

　何故カリオストロはなかなか反撃しないのか？　それは決して透の攻撃が激しすぎて反撃に出れないのではなく、敢えて反撃しない事で体力の温存と時間を稼いでいるからだ。
　透がカリオストロに掛かりきりになっている間は、アルカノイズに被害は出ない。それはつまり、逃げ遅れた人達にアルカノイズが襲い掛かるだけの

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