第一物語・後半-日来独立編-
第十七章 ざわめく空の下
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視隊も覗きに来るだろうから、無闇に思ったことを発言出来ないから覇王会の皆は気お付けるようにな」
社交院との会議は午前十一時からだ。
後、三〇分も無いので内心不安で焦っている。
しかし、皆を不安にさせないためにそれを表へとは出さない。
一息。自分を落ち着かせるように息を吐く。
「後少ししたら、会後場である西二番外交区域の社交領へと向かう。それまで好きなことをやっといていいぞ、多分その会議で大きく日来は動くことになるからな」
飛豊は視線を窓際に寄せ、
「美琴に頼みがあるんだがいいか?」
「え? なに?」
窓際に座る美琴は、急に自分の名前を呼ばれ少し慌てた。
飛豊は落ち着くまで、少し間を置き、
「セーランの見舞いを頼めるか? 花とこの手紙持ってさ」
飛豊はポケットに手を入れ、そこから抜くと同時に白の折られた紙を掴んだ。
教卓から美琴の元へと、それを届けに歩く。
床を打ち付けながら、机の前に到着するとその紙を前へと向けた。
「いいか?」
「うん、いいよ。おはなは?」
あそこだ、と飛豊は指を後ろのロッカーの上を差した。
紙に優しく包まれた、黄色や白の花の花束が置いてある。
あれを持っていくのだと、理解し頷く。
「今からのんびりと行くといい。咲先生には後で言っておくから」
「琴姫一人だけじゃ可哀想だから、私も付いていこうかしら」
「明、お前は駄目だ。怪我人のセーランに対しても手加減しなさそうだからな、美琴一人方が何かと安全だ」
灯が半目でこちらに訴えてくるが、それは無理だと顔を横に振る。
チッ、と舌打ちが聞こえたが気にしない。
「皆にも手伝ってもらうことがあるかもしれないから、そのときは宜しく頼むぞ」
へーい、分かりました、承知、えええ、などの人によって返事は違うが肯定の返事だと勝手に解釈する。
美琴はそれを笑いながら手紙と花束を持って教室から出ていこうとしたら、昇降口までと灯が付いていった。
そのまま付いていく気がしたので、美兎を後から行かせたら案の定。その勘は当たった。
まるで子の巣立ちを悲しむ母のようだったと、美兎が言っていた。
教室いる皆には、主に資料を集めてもらった。さながら、受験勉強のラストスパートみたいな状況だった。
それから幾らか経った後で教室を発ち、会議場を目指して校門を抜けた。
道中。監視隊と数回出会ったが、会議のことを知らされているのか特に何かをすることはなかった。
空には当たり前のように戦闘艦が飛び、耳障りな音を立てながら監視を行っていた。
そんななかで着いた、西二番外交区域社交領。そこは前に宇天学勢院と会議を行ったときの形とは違い、大きく円が描かれ、そのなかに相対するように二つの線が引かれていた。その線上に立ち、会議する形を取るの
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