挑発
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オンside
ゲームが始まった。その中でまず俺たちが注目したのは全員の口から出てくる気泡の量だ。
「あの気泡が酸素の消費量か」
「あれが少なければより長持ちするってことだよね」
参加者全員の口から気泡が出ているが、予想通りその量はかなりマチマチ。泳ぎ始めたこともあってかなりそれが出ているものもいれば、様子見しているのかほとんど動いていないため、空気もそこまで使っていないものもいる。
『やはりそれぞれ考え方が違うようですね」
『うむ。全員の動きを確認するために動いていない人が多いね』
『みんなCOOLに動いてくれよぉ!!』
酸素の量が鍵を握るとなれば、そう簡単には動けない。ただ、この状況も長くは持たないだろう。なぜならこの二人が動いているからだ。
『その中で真っ先に動いたのはシリルたんとジュビア!!水の魔導士なだけあってその泳ぎも実に速い!!』
速い泳ぎ・・・それにももちろん目を見張るものがあるが、もっとも注目すべきは二人の口から出てくる気泡の量。他の面々が動いていないため時とほぼ変わらない程度の量しかこちらからは視認できないのだ。それがどれだけこのゲームで有利になるかは言うまでもない。そして・・・
『妖精の尻尾Bが最初に捉えたのは四つ首の番犬だぁ!
』
「なっ!?」
「こいつらかよ!!」
最強ペアのいきなりの襲撃に慌てたのか、一気に大量の気泡が口から漏れ出るロッカーさんのノバーリさん。だがこれは仕方がない、二人に驚くと言う意味でも、シリルたちの狙いになってしまうという意味でも。
「よっぽどさっきのが効いてるんだな、シリルの奴」
「仕方ねぇだろ!!」
「キレんなよ」
ターゲットの決定理由に心当たりのある俺たちは苦笑いを浮かべてしまう。恐らく・・・いや、間違いなくシリルはさっきまでの色仕掛けで女性陣に対して攻撃するのに抵抗が生まれているはず。となれば唯一の男性コンビであるあの二人を襲撃するのは必然。あとはどうやって魔水晶を奪うかが焦点となるか。
『あっと!!シリルたん、ロッカーとノバーリを見つけるやすぐさま加速!!あっという間に距離を詰める!!』
さすがに先ほどまでよりかは酸素を使っているようだが、それでもかなり消費量を抑えているように見える水竜。彼は瞬く間に距離を縮めると、そのまま一気に飛びかかる。
「ヤベッ!!」
「くっ!!」
それに呼応するように後ろへと逃げようとする二人。だが、いかんせん水の中では動きが遅い。これはシリルの方が優勢か?そう思っていた時だった。
「ん?」
飛びかかったシリルに違和感を覚えた。そしてその理由もすぐに理解する。彼は性別的には男性なため好んでサーフパン
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