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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
外法には外法をぶつける話《後編》
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とするが口が動かない。
ただ苦しそうに息を発するだけだ。

「だ…だっ、れか…来」

無論、音もシャットアウトされる。
助けは来ない。サーヴァントも来ない。
声が発せなければ、令呪も使えない。
この良くできた罠にはめられ、何をさせられるのかと思えば


「おうい、見てるかーい。」

ただ、映像を見せられるだけ。

「…!?」
「よう。現実で会うのは久しぶりだナクソ兄貴」

そこに映っているのは葛飾北斎。
ただの北斎じゃない。自分が血眼になって探し求めている、あの憎き弟の北斎だ。

大画面の液晶テレビには彼女の顔。カメラを覗き込むようにしてこちらを見ている北斎。
得意げそうな笑みを浮かべながら、彼女は話を始める。

「今とんでもない事になってるのは知ってる。そんな兄貴に1つ見舞い品でも寄越してやろうかと思ってネェ。とびっきりのぷれぜんとを用意してやった。」

プレゼント?なんだそれは?
これがプレゼントだとでもいうのか?ふざけるのも大概にしろ。
そうキレ散らかしたい身体も口も一向に動かせないままだ。

「こういうのはびでおれたあ≠チてのが定番なんだろ?」

ビデオレター?何を言ってる?
そういえば、画面に映っている北斎はよく見ると裸だ。
これからオナニーでも見せつけてくるのかと思ったが、周囲からは性行為らしきいやらしい水音と漏れる嬌声も聞こえてきた。

これは…北斎の後ろで誰かが何かをしている。
一体何だ?その答えはすぐに分かった。

「そらっ、感動のご対面だ。」

北斎がどく。
そこにいたのはゴッホ。
かつて自分のサーヴァントであった、ゴッホ。
自分もフォーリナーが欲しいというワガママで歪んだ聖杯から産み出したあのゴッホだ。
そんな彼女が、一糸まとわぬ姿でちょこんとカメラの前に座っている。

「…えへへ。お久しぶりですマスター様。」

何を笑ってる。
こいつは何をしている?どうしてそんな所にいる?
いや、追い出したのは確かに自分だ。
だがそこに行っていいと言った覚えは1度たりともない。

「いえ、失礼しました。今はもう元<}スター様でしたね…。」

あの死ぬほど憎たらしい弟の元へ行けとは。いや、そこにだけは行って欲しくなかった。

ゴッホの後ろ。そこでは弟がサーヴァントと交わっている。
さっきから聞こえている水音の正体はこれだ。
交わっているのはアビゲイル。楊貴妃。
いずれもフォーリナーのサーヴァント。
複数のサーヴァントと交わるなんて、こいつはとんでもないクソ野郎だと兄は唇を噛んだ。
更にその上、

「ゴッホはこれから今のマスター様…大好きなお兄様と交わります。ですからその一部始終を余すことなく元マスター様へお見せしますね。
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