【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第8節】キャラ設定1: ニドルス・ラッカード。(前編)
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て来ます。
(本当に、死んじゃったんだなあ……。)
ヴェローネが入れてくれたお茶を一緒に飲んで、ニドルスも一息ついたところで、ヴェローネはこう言って話を切り出しました。
「ところで、ニドルス君。空士訓練校の試験は合格したのよね?」
「はい。昨日、合格通知のメールが届きました」
「良かったわ。この子が無駄にならなくて」
ヴェローネはそう言いながら小箱を開けて、その中身をニドルスにも見せました。
「ペンダント? ……いや! これ、デバイスですか?」
ニドルスにとっては、写真でしか見たことが無いような高級品です。
ヴェローネは少し恥ずかしげな表情で、小さくうなずきました。
「私も親バカで……ディオーナなら、きっと合格するはずだからと思って、あらかじめ合格祝いを造らせておいたの。最新のAIを組み込んだ、いわゆる〈第二世代デバイス〉なのよ」
新暦22年のこの段階では、第二世代デバイスはまだ一般に量産化はされていません。つまり、このデバイスは「特注品」なのです。
ニドルスが思わず見惚れていると、ヴェローナはさらにこう言いました。
「でも、あの子はもう死んでしまったから……ニドルス君。このデバイスは、あなたが使ってくれないかしら?」
「え? ……いや、いや、いや。そんなこと、できませんよ! こんな高級品を」
ニドルスが思わず右の掌を横に振って固辞すると、ヴェローネはいきなり両手でその右掌をがっしりとつかんで、自分の手元に引き寄せました。
「お願いよ。受け取ってちょうだい」
(ええ……。)
「身勝手な言い分なのは解っているわ。あの子の夢を代わりに叶えてくれ、とまで言うつもりは無いのよ。ただ……あなたがこれを使ってくれた方が、あの子の身魂もきっと浮かばれるだろうと思うの」
(え。……いや。でも……。)
ふと気がつくと、いつの間にか、猫のジェルディスが足許に来ていました。
「な〜、な〜」
何かをねだるように、肉球でニドルスの足を押して来ます。
もちろん、ジェルディスはただの猫なのですから、決して『ヴェローネの言葉を理解した上で、自分も口添えをしている』という訳ではないのでしょう。
それでも、ニドルスには、何やらそのように思えてなりませんでした。
「……解りました。それでは、ありがたく使わせていただきます」
ニドルスが覚悟を決めてそう応えると、ヴェローネは嬉々として「マスター認証」のやり方などをニドルスに語って聞かせました。
「なるべく、あの子だったら付けそうな名前を選んで、この子に付けてあげて」
ヴェローネが最後にそう言い添えると、ニドルスは決然とうなずいて、今聞いたとおりのやり方を実行に移しました。
まずは、ヴェローネから少
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