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異世界からチートな常識人が来るそうですよ(タイトル詐欺)
第二話 定例文? なにそれ、食えるの?

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「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはこのような状況を言うに違いないのデス」

「いいからさっさと進めろ」

半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらも、黒ウサギは四人を『聞くだけ聞こう』という程度までにもってくることができた。が、飛鳥や耀、証が質問する中、黙っていた十六夜が最後に、何もかもを見下すようにして、



「この世界は………面白いか?」



という一言に黒ウサギは、

「YES。『ギフトゲーム』は人を超えた者達だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと、黒ウサギは保証します?」

と答えたので、証は内心『早速、黒ウサギに迷惑をかける事になるなw』とほくそ笑んでいた事に気付いた者はいなかった。ついでにいえば、同じような事を考えていたやつがいるのにも誰も気づかなかった。







ジンと合流し、黒ウサギが男二人がいないことに気付き、女二人とボケをかましてから追いかけていた時には、彼らは既にW世界の果てWまで半分を切っていた。

「は、速すぎ……」

「へえ、お前俺について来られるのか。証だったな。その周りに出ている電気とか風のお陰か?」

「まあ、そんなところだ。それよりなんで何もせずにそんな速く走れる?」

ヤハハ、と笑いながら一旦足を止める。別に休憩ではないだろう。十六夜は疲れた様子を見せないし、自分もこれぐらいの強行軍は慣れている。てか、まだ前の世界での魔王との対戦のダメージは消えてないしな。万全だったら楽に追いつけるはずだ。

「そこの獣?なんかウサギっぽいやつがきたら足止めしてくんね?」

「………」

反応はない。当然だろうが、いきなり初対面のやつにパシられかけるとは夢にも思わないだろう。

「あ、ユニコーン。此処にもいるのか」

「……そろそろ行こうぜ。日が暮れちまう」

「わり、すぐ行く」

十六夜に窘められながら進んでいくと急に視界が開けた。


ザザァ………


「何だ川か……、ん?」

「蛇かな?あれ」

そこにはー身の丈三十尺強はある巨躯の大蛇だった。

「でかいなー」

そんな風に呟きながら見てるとその大蛇が、

『珍しいな、此処にくる人間は。我が試練に挑戦するか?』

そんな事をのたまってきた。すると十六夜が、

「俺がやっていいよな?」

「おう、疲れてるし俺。どうぞご自由に」

「カッ、おい蛇、試練?お前は俺を試せるのかよ?」

『貴様?』

いきなり襲いかかった。沸点低いなあの蛇…。

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