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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【プロローグ】新暦65年から94年までの出来事。
 【第1章】無印とA'sの補完、および、後日譚。
【第4節】闇の書事件にまつわる裏話。(前編)
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らなかったから……つまり、はやてさんの心が闇に飲み込まれなかったから、地表への攻撃を回避することができた。……あの詩文のとおりだわ。
 では、「果たされなかった願い」というのは何なの? ……いや。そもそも〈闇の書〉は何故、こんな魔法文化の無い世界になど()()いていたの? 早く見切りをつけて他の世界へ次元移動することだって、きっと可能だったはずなのに……』
 リンディのそうした疑問は、長らく解消されることはありませんでした。(←重要)

 一方、はやては初めてのユニゾンで疲れ果てたのか、戦いが終わって、なのはやフェイトたちとひとしきり喜び合うと、じきに意識を失ってしまいました。
 リンディは取り急ぎ、彼等全員を一旦、〈アースラ〉に収容します。
(続けて、はやての車椅子も、病院の方から収容しました。)

 そして、艦内の医務室で眠るはやての(かたわ)ら、リインフォース・アインスは、はやての中からその姿を現わすと、全員に向けてこう語りました。
「本来はただの改造プログラムだが、長年に亘って使われ続けたため、もう〈ナハトヴァール〉のシステムだけを私から切り離すことができない。〈ナハトヴァール〉を完全に葬り去るためには、もう私自身が消えるしかないのだ」
 四人の守護騎士たちも、それを聞いて一度は覚悟を決めたのですが、アインスは続けてこう語りました。
「だが、守護騎士プログラムは、事前に私から切り離すことができる。私がいなくなっても、どうか、お前たちはこの幼い(あるじ)を守り続けておくれ」
 (ほか)でもないアインスにそこまで言われてしまったのでは、騎士たちにはもう黙って従うことしかできません。

「実のところ、こうしている間にも、私の中では〈ナハトヴァール〉による侵蝕が再び始まっている。だから、私が消えるのも早いに越したことは無いのだが……残念ながら、私には私自身を消し去るだけの能力が無い。また、基礎プログラムの上でも、そのような行為は許可されていない。
 騎士たちよ。そして、小さな勇者たちよ。本当に済まないが、私が消えるのに手を貸してはくれないか? 早く(おこ)なえば、その分だけ、もう少し何かを切り離して(あるじ)のために残せるかも知れないのだ」
 死にゆく本人にそう言われたのでは、なのはとフェイトにも、その真摯(しんし)な願いを拒むことなどできませんでした。

 とは言え、これほど大掛かりな魔法となると、間違っても艦内では実行できません。どこかしら地上で「人目につかない広い場所」が必要です。
 ところが、アインスは土地勘があるのか、迷わずその場所を指定しました。
 はやての許にはアルフとユーノを残し、アインスたち7名は、リンディとクロノに頼んで秘密裡に自分たちを「その場所」へと転送してもらいます。
 そ
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