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俺様勇者と武闘家日記
第3部
ジパング
灼熱の戦い
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、これって……?」
 シーラに尋ねるも、彼女も何が起きているのかわからず、ポカンとしている。すると、何かに気づいたのか、きょろきょろと辺りを見回し始めた。
「お祖父様!?」
 どうやら彼女にだけお祖父様……イグノーさんの声が聞こえているらしい。何事かを聞いたのか、シーラは何度か頷くと、一言「ありがとう」と言った。
「なあ、いきなりオレたちの怪我が治ったんだけど、シーラ、お前がやったのか?」
 ナギの問いに、シーラは首を横に振る。
「ううん。お祖父様の持っていた、この賢者の杖の力だよ。お祖父様の込めた魔力が、皆を回復させてくれたの」
 シーラの言うとおり、あんなにひどい火傷だったユウリですら、身体のほとんどの部位が元の健康な状態に戻っている。かくいう私も両腕の火傷や、星降る腕輪の反動で思うように動かなかった体も、すっかり元に戻っている。
「イグノーさんって、改めてすごい人だったんだね……」
 感心しながら私が言うと、
「そんな話はあとでやれ。今はオロチの後を追うことが先決だ」
 そう言ってユウリは一足先にオロチが生み出した旅の扉へと走り出したではないか。
「くそっ、あいつに先を越されてたまるかよっ!!」
 ナギも続いて後を追う。私も置いてかれないよう二人を追おうと駆けだそうとして、くるりとシーラの方を振り向いた。
「シーラ、ありがとう!! シーラのおかげで、オロチを倒せるよ!!」
 私が素直にお礼を言うと、シーラは照れたようにはにかんだ。もう彼女の目には、涙は残っていなかった。



 


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