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ポプラの嘘
第三章

[8]前話
「葉の裏が白くなったのか」
「はい」
「反省したんだ」
「遅まきながら」
「いや、反省したならいいよ」
 ガニュメデスは木に笑って話した。
「スプーンも帰って来たし」
「それで、ですか」
「うん、だからね」
 それでというのだ。
「ゼウス様にも僕がお話しておくから」
「反省したと」
「スプーンも返って来たし」
 そのスプーンを手にしつつ話した。
「それでいいよ、ではね」
「はい、二度とこうしたことはしません」
 木も約束した、そしてだった。
 ガニュメデスは木の謝罪も受けそのうえでオリンポスに戻った、そしてゼウスにスプーンを渡し一部始終を話すと。
 ゼウスは笑ってだ、こう言った。
「反省したならな」
「それでいいですか」
「スプーンも返ってきたしな」 
 そのスプーンを手に話した。
「それでよい、わしも何もせぬ」
「そうですか」
「このことはこれで終わりじゃ、さてこれからじゃ」
 ゼウスはガニュメデスにこの度のことの褒美の宝玉を与えつつ話した。
「我が兄弟とその妻とな」
「どう仲直りするか」
「そのことをな」
 まさにというのだ。
「考えよう」
「そうされますか」
「ずっと喧嘩したままというのもよくない」
 自分でも言うのだった。
「だからな」
「お二方とですか」
「仲直りをしよう」
「それではどうされますか」
「うむ、ハーデスには贈りものをしてな」
 そうしてというのだ。
「賭けの話はわしが言ったしな」
「先にですね」
「それで許してもらいペルセポネーについては」
「やはりゼウス様が」
 ガニュメデスは自分の考えを述べた。
「ですから」
「そうであるな、ではな」
「謝られますね」
「そうしよう」
 こう言ってゼウスは今度は冥府の二神のことについて動いた、そしてどちらも和解出来てほっと出来た。そうして銀のスプーンを使って美味い者を楽しんだのだった。尚ポプラについてはもう何も言わずずっと反省しているその姿を見てよしとしたのだった。それは今も続いている。


ポプラの嘘   完


                     2023・6・14
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