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られている』という感覚はやはり、トレーサーのもので、反応が消えた辺りに来ると再び、トレーサーを出されて終わりだ。

問題はどこでトレーサーを付けられたか、だが、メイジの技量次第では幾らでも可能だろう。


「お、湖だ」


道が石畳の道に変わり、湖の中央に架かる巨大な橋の向こうにこれまた大きな門が現れた。


「どうやら逃げ切れそうだな」

「油断して落っこちないでよ。水中に大型のモンスターがいるから」

「ウンディーネがいれば話は別だけどね」


その瞬間、後方から魔法の球体が飛んできた。それは3人を外れ、10mほど先に着弾した。


「………っ!!」


橋の表面から巨大な岩壁が高くせり上がり、行く手を塞いだ。


「セラ!」

「わかってる!」


風属性の上位魔法を詠唱し、岩壁に叩きつける。が、岩壁はびくともしなかった。


「……相性が悪すぎる。迎え撃つしかない」

「仕方ないわね……」


キリトの提案でヒール役になったリーファの前へ、キリトの横に並ぶ。


「あの、できればセラも回復役になって欲しいんだけど……」

「私は他人を回復する魔法は使えません」

「え!?」

「ご心配には及びません。あなたに合わせます。私はお兄様の妹ですから」


会話は小声で行っているため、リーファには聞こえない。だが、キリトはその声に裏打ちされた自信を感じた。


「……頼んだぞ」

「お任せを」


サラマンダーが見えてきて飛び出したのは同時、3人の盾を掲げる前衛にまずキリトが飛びかかった。


「セイッ!!」


ガァーン!!という大音響と共に剣が盾を横一文字に薙いだ。HP減少は約1割。それも後方からヒールが飛んできて回復してしまう。直後、紅蓮の業火が2人に降り注いだ。

しかし、盾防御をされた時に敵の作戦を見抜いたセラの障壁に大部分が相殺される。


(……マナポーションを飲んでる余裕はない。障壁は後3回が限度ね)


「うおおっ!」


長期戦は不利と思ったのか、キリトの攻撃スピードが上がる。

だが、前衛の強固な盾に阻まれ、思うように立ち回れない。


(煩わしい……)


躊躇いは僅か、3度目の一斉砲火をに障壁で防ぐ。


「パパ、今です!!」


キリトが呪文を詠唱しているのは気づいていた。

それに、さっきの障壁にはリーファのもあった。

爆炎が晴れ、現れたのは――その頭は山羊のように長く伸び、後頭部からは湾曲した太い角が伸びている。丸い目は真紅に輝き、牙の覗く口からは炎の息が漏れている。

その姿は《悪魔》そのもの。


――後に、レイにその話をす
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