天国と地獄
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う遅いわ」
「??」
この様子を見ても何もリアクションがない少年の恋人である少女。なぜそのような状況になっているのかとルーシィは少女の方に視線を向けたが、ミラジェーンの意味深な言葉に困惑したものの、すぐに何が言いたいのかを理解した。
「ちょっと。なんかどす黒いもの見えてるわよ」コソコソ
「知らないよ、私たちじゃどうしようもないもん」コソコソ
「そうね、ここは突っ込まずにおきましょう」コソコソ
少女は怒りのあまり近くにいる三人が声をかけられないほどのオーラを放っていたのだ。そのあまりの圧に年上であるはずのルーシィたちすら恐れを抱いており、距離を置いている。
「私がいるのに・・・シリル・・・」
今少年に集まっている女性陣にはあり、彼女にはないものへと手を伸ばし唇を噛み締めている少女。その目は殺し屋と遜色ないほどのものへとなっている。
「これは終わったわね」
「勝っても地獄・・・」
「負けても地獄ね」
この後行われるであろう制裁を想像し鳥肌が立つ三人。彼女たちはその火の粉が自身へと振りかからないようにと少女から視線を逸らしていた。
競技開始前から始まっている駆け引き。それにようやく気が付いた観客たちだったが、その姿がただの女性たちによりイチャつきにしか見えず大歓声・・・いや、男性陣の歓喜の声が響き渡っていた。
「なるほど、これがあいつの攻略法か」
完全に手のひらで踊らされている少年を見ながら真顔で一言を放ったのは、素顔を隠しているセレーネ。彼女は面白がっているようだが、隣にいるディマリアはあえてそちらを見ないようにしている。
「どうした?私たちも行った方がいいんじゃないか?」
「断る。誰があんなこと・・・」
完全にタイプが真逆の二人は意見が噛み合っていない様子。しかし、セレーネは彼女に身を寄せると耳元で囁くように話しかける。
「お前の気持ちはわかるが、今は作戦の成功を最優先するべきじゃないのか?」
「それはそうだが・・・」
「もししないなら、あの子は私がもらうわよ」
「わ!!わかったわよ!!」
竜王祭の際になす統べなく敗戦したことを気にしていたディマリアはシリルとの再戦を待ち望んでいた。そのため、彼女も他のギルドに協力するために少年のすぐ横に入り込み、身体を寄せる。
「あら?あなたみたいに強い子はうちが一番いいんじゃない?」
「「「「「!!」」」」」
まさかこの作戦に狩猟豹の頭までも加わってくるとは思っていなかったらしく全員が面を喰らっていた。そしてその間にセレーネもシリルに歩み寄っている。
「そうね。ほら」
彼
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