天国と地獄
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が密集しているポイントがある。その中心にいる華奢な身体の水髪の人物はその非常事態に顔を真っ赤にし、俯いていた。
「まさか・・・これが狙いなのか?」
少年のその姿を見て勝ち誇っている女性たち。それを見たことでなぜこのメンバーたちがこの競技に集まったのか、俺たちはようやく理解できたのだった。
第三者side
「ねぇ」
「何?カナ」
ここは妖精の尻尾のBチームに当たるガールズチームの待機場所。そこにいる面々は今、競技のルールよりもその説明を聞いていなければならないはずの選手たちに意識を持っていかれていた。
「あれって・・・」
「まさか・・・ね」
カナとルーシィは互いに言葉を濁しているが、何を言いたいのかはおおよそ理解しているようだった。そしてその理由は中央にいる人物にあった。
「あの・・・」
「どうしたの?シリル」
「当たっているんですが・・・」
顔を真っ赤にして俯いている水色の髪をした少年。それを言われたジェニーは離れるどころかますます身体を密着させていた。
「当たってるんじゃなくて、あ・て・て・る・の??」
「な・・・なんで・・・」
なぜ彼女がそのような行動に出ているのか理解ができずに目を白黒させている少年。すると、女性は彼の耳元に優しく話しかける。
「最近シリル、カッコよくなったからね」
「ふぇ!?」
予想外の言葉にさらに顔が紅潮するシリル。すると、その逆サイドにいたミネルバも身体を寄せてきていた。
「悪いがジェニー、妾もシリル狙いでな」
「あら?じゃあライバルになるのかしら?」
そう言った二人はまるで敵意がないような笑みを浮かべている。いつものシリルなら気付くであろうその違和感に、混乱している彼は気付くことができない。
「シリルならきっと、うちに来てもお客さんがいっぱい付きますわ」
「いえ、シリル様の力があれば私たちと一緒の方がいいはずです」
そこに加わってくるのはシェリーとユキノ。その際ユキノは恥ずかしがっているのか顔が少年に負けないほどに赤くなっているが、これにも彼は気付くことはない。
すると、ここにさらに加わってくるものが三人。彼女たちは明らかに邪なオーラを放っている女性陣から少年は中心へと抱き寄せる。
「悪いがシリルは私たちのものだ」
「そうよ!!これは譲れないわ」
「そうです!!絶対に渡せません!!」
その三人とはこの競技に参加している妖精の尻尾の三人。その際仲間であるエルザとリサーナはミネルバたちと視線を交わらせ作戦が上手
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ