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焔の魔神、来る
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巨人―――《The Surtr》


「……強力な敵は、何?」

「で、出ないといいなぁ……」

「アホやってる場合か確か、コイツは……」



火焔界ムスペルヘイムの支配者―――《スルト》








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Sideセラ



アルンへ続くルグルー回廊の道すがら出会った敵を力押しで倒し続けるキリトにリーファと共に唖然とする。先程、シルフ領で買い揃えた武器や防具、特に彼の身長に迫ろうかという巨大な両手剣を片手で振り回すのは圧巻だ。

それでいてあの超人的なスピードは健在なのでもはや防御は意味を成さない。

現在、相手取っている《イビルグランサー》もただの雑魚ではないのだが、全て一撃で葬られる。
逃げ出した一匹をリーファが魔法で仕留め、戦闘は終了した。


「おつかれー」

「援護サンキュー」


ちなみに私は何もしてない。役回りが無かったのだ。

その後、モンスターに出会うことなく、《ルグルー回廊》がある山岳地帯に入った。


「ここがアルンへ向かう一番の難所です。洞窟は長いですが、途中の鉱山都市で休憩が出来ます」

「あたしはここからは初めてね。セラは?」

「洞窟ルートは使ったことがない。ところでリーファ、ここらで一度ローテアウトした方がいいわ」

「ろ、ろーて……?」

「交代でログアウトし、しているアバターを他の人が守ることです」

「なるほど、2人からどうぞ」

「では、私から」


ウインドウを操作してログアウトする。

大した用事はないのだが、トイレぐらいは行っておこう。

用事をすませると、ついでに螢兄の部屋に入る。螢兄のナーヴギアはモニターに接続されていて、2人で決めたコードを打ち込むと、見ているものを映し出すことが出来る。

カタカタと打ち込むと、ロックが外れ、画面に映像が出る。

戦闘中のようだ。


「これは……?」


巨大なモンスターと螢兄達が激しい戦闘を繰り広げていた。場所はアルン高原のようだが、どうにも腑に落ちない。アルン高原にはこんなモンスターは出なかったはず……。


「……まさか!!」


傍らのPCに飛び付き、同時にある所へ電話を掛ける。


『お嬢様?どうかしましたか?』

「仙道さん、至急レクトプログレスが運営する《アルヴヘイム・オンライン》のプレイヤー以外の通信ログを調べてください」

『承知しました』


何故とは訊かない。主人を疑うことをせず、迅速に命令を実行するのが仙道の優秀な面だ。
2分ほどで、答えは返ってきた。


『恐らくこれでしょう
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