フェアリー・ダンス編
世界樹攻略編
黒衣の来訪者
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そして、キリトの話、世界樹に行きたいという話を聞く。
『あいつは大事な人を助けに行くんだ』
螢兄は自分に彼を助けるように頼むとき、そう言った。
『あいつと、その人は俺をたくさん助けてくれた。俺はあいつの力になりたい。だから沙良、お前も手伝ってくれないか?』
断る理由はない。兄が自分に助けを求めた。それは彼女にとって至上の喜び。以前の兄からは考えられないことだった。
「―――じゃあ、あたし達が連れていってあげる」
故に、勝手に頭数に入れられても文句は言わない。呆れはするが。
「え……いや、でも会ったばかりの人達にそこまで世話になるわけには……」
「いいの、もう決めたの!!」
「異存はありません」
まったく……これでキリトが自分の兄だと知ったらどうなるだろうか。
「あの、明日も入れる?」
「あ、う、うん」
「じゃあ午後3時にここでね。あたし、もう落ちなきゃいけないから、あの、ログアウトには……「リーファ」…ん?」
「私が説明する。早くなさい」
「え……あ、よ、よろしく」
リーファがログアウトしていくと、ため息をついて髪を振り払う。キリトは不思議そうな表情でこちらを見ている。
「やっと本題に入れるわ。『桐ケ谷和人』君」
「なあっ!?」
ガタッ、と立ち、剣に手をかける。
「……落ち着いて。私は貴方の味方です。お兄様……水城螢、レイに貴方の助太刀を頼まれました」
「……レイの……妹?」
「義理ですが、お兄様は私の家族です」
「……証拠は」
「お兄様は貴方に『結城明日奈』さんの所在の手掛かりを渡し、先にアルンに向かっております。貴方と同行できないのは諸々の事情と、そして世界樹攻略のために有志の手練れを集めているためです」
「そう……か。ユイ?」
「大丈夫です。ねぇは嘘ついてませんよ」
はて、ねぇとは誰ぞや?
「ねぇ……ああ、レイの義妹だもんな」
「ああ……そういうことですか。初めまして、ユイ」
「初めまして。ねぇ」
ペコリと互いに深々と頭を下げるのは中々にシュールだ。
「あ、でだ。セラも協力してくれることでいいんだな?」
「はい、微力ながらお手伝いいたします。……さて、キリトさん。ログアウトには上の宿を使ってください」
「ああ、ありがとう。レイによろしくな」
「伝えます。では」
こうして、物語は動き出す
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