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黒衣の来訪者
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リーファはセラと共に地上へ降下していった。







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樹海に逃げ込むと、丁度滞空制限が来たので、大きな木の下に伏せる。


「リーファ……」

「だめ、セラも一緒に隠れるの」


囮になろうという申し出を先回りされて却下され、苦笑いする。

《緑の双翼》として近辺のプレイヤー達に名が知れ渡ってからいくらか経つ。その間にリーファ/直葉は自分の考えていることを見透かされるようにまでなっていた。

隠蔽魔法が発動し、2人の姿が隠される。

やがて、サラマンダー特有の鈍い飛翔音が複数近づいてきた。


「このへんにいるはずだ!探せ!!」

「いや、シルフは隠れるのが上手いからな。魔法を使おう」


それを聞いた瞬間にセラは敢えて自ら隠蔽魔法を解いた。


「ちょ……セラ!!」

「あの数でバレないのは無理」


そもそも魔法スキルは大方戦闘系に振っているので、先程のような隠蔽はあまり得意ではない。

相手はこちらに気がついたが、セラは既に飛び出していた。

とっさの反応が出来ないプレイヤーを斬りつける。

だが、向こうもサラマンダーの精鋭だ。決まったのは一撃のみで後はかわされてしまった。


「ちっ……出てくるなら早く出てこいや!」

「あら、斬り殺されたいの?大したマゾっぷりね」

「この……!!」


怒り任せに突き出したランスを跳躍でかわすと上空の大上段から兜ごと頭を斬りつけた。


「があ!?」


着地と同時に他の2人の攻撃をひらりひらりとかわす。


「この……!!」


内1人が痺れを切らして空中に飛び上がった。


「……っ!!馬鹿やろう!!《セラ》相手に空中戦は…「遅いわよ」…」


土魔法の中級スペルである加重攻撃が飛び上がったサラマンダーを再び突き落とす。

MPの消費は激しいが対空戦用に覚えておいた取って置きだ。散々使っているのでばればれなのだが。

今対峙している1人を倒せば撤退は難しくない。だが、

どん、と突然背中が大きな樹にぶつかった。


(しまっ―――!?)


「残念だったな、お嬢さん」


リーダー格の男がランスを突き出す。

が、それは横から飛び出したリーファによって弾かれた。


「もう!!勝手に飛び出さないでよ。1人で敵うわけないでしょ!!」

「……ごめん」


何で逃げないのよ!?とは思っても言わない。助けに来てくれたのは嬉しいことだった。


「お二方、もう諦めたほうがいい。土魔法はもう使えないだろう?こっちはまだ飛べる
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