第二章
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「あの人よ」
「あっ、あの時の」
母もその尼僧を観て思い出した。
「千佳子ちゃんが気持ち悪いって言った」
「その人よ、ええと世登家雀長さんね」
「お寺の住職さんみたいね」
「ええと、この人って」
娘は自分のスマートフォンを出してその尼僧の検索をして母に話した。
「何この人」
「どうしたの?」
「結婚して何度も不倫して家族捨てて駆け落ちして」
「不倫って」
母はその言葉を聞いて顔を顰めさせた。
「しかも家族捨てて」
「子供さん達もね」
「酷いわね」
「それでまた不倫して」
駆け落ちしてというのだ。
「出家したらしいけれど」
「どうして出家したのか気になるわね」
「出家してもお肉とお酒好きで」
「今はどっちも家庭持ってもいいけれどね」
「おおっぴらには駄目よね」
「貰ったら残さずいただくでね」
今の仏教の教えをだ、母は話した。
「お肉やお魚は自分で進んで食べなくて」
「貰ったら残さず頂く」
「そうなってるわ、ただおおっぴらになのね」
「この人食べてるわ」
その画像を観て話した。
「人前で上等な焼肉を」
「それは流石にね」
「しかも政治でも言っていて」
「何て?」
「歴代の総理大臣馬鹿とか罵って」
「宗教やってる人が政治に言うのもね」
母はどうかと返した。
「どうも。しかも馬鹿って言うの」
「都知事選の応援もして死刑賛成の人に馬鹿共よ」
「余計にどうもってなるわね」
「あと随分賞状とか好きみたいよ、貰わなくともとか言ってても貰ったら嬉しそうで」
「聞いてたら全然出家してる様に思えないわね」
流石にという口調でだ、娘に言った。
「何か」
「私も。随分とね」
「欲の深い人ね」
「出家する前からね、不倫にお肉にお酒に」
娘はさらに言った。
「政治への口出しに罵りに賞状にこだわって」
「お坊さんには思えないわね」
「っていうかこの人の生い立ちとか今見てたら」
今も自分のスマートフォンで検索して観つつ母に話した。
「欲まみれで生臭くて」
「テレビに出てるお顔観ても」
母はまた言った。
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