第88話 銀の襲撃
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やラウラさんがどうしてあんなにも貴方を心配するのかが良く分かりました!貴方は無茶ばかりする!放っておけば死んでしまいそうで怖くて仕方ありません!」
「あはは、エマにもそう言われちゃうか……」
「言いたくもなりますよ、リィンさんの馬鹿……」
泣く私をリィンさんは困ったように笑みを浮かべて頭を撫でます、そんなリィンさんに腹を立てながらも私は彼の胸の中で泣き続けました。
そして少しして冷静さを取り戻した私は『セレネスブレス』でリィンさんを治療し始めました。
「エマ、これは?」
「今毒を消しています、少しジッとしていてください」
そして私はリィンさんを治療しました。
「おおっ体のしびれが取れた!」
「一応後で医療機関に行ってみてもらってくださいね、魔法も完璧ではないので」
「ああ、分かったよ」
呑気に笑みを浮かべるリィンさんに溜息を吐きながらも私もつられて笑みを浮かべました。
「ところでエマ、そっちのセリーヌなんだけどただの猫じゃないよな?」
「えっと……」
「いいわエマ、どうせいずれはバレていたし」
リィンさんがセリーヌの事を聞いてきたのでどう説明するか悩んでいると、セリーヌの方から話を切り出しました。
私はセリーヌに説明を任せてリィンさんの治療に専念することにしました。
(お母さんやお婆ちゃんにリィンさんを紹介しても今後も一緒についていきましょう。リィンさんを放ってはおけませんから)
私はそんな決心を内心でしてチラリとリィンさんの顔を見ます、ちょっと可愛い系の顔ですが今は勇ましくてカッコいいです。そんな顔を見ていたらドキドキしてきちゃいました。
最初はお母さんを助けてくれた恩人で慕っていました、でも今は放っておけない危なっかしい人になりました。
(私、本気でリィンさんの事が……事が終わったらフィーちゃんやラウラさんに相談してみましょう)
私はそう思うと何故か胸が温かくなり嬉しくなってしまいました。リィンさんと一緒に旅をする、そんな未来を想像しながら私はリィンさんを治療していきます。
side:リィン
俺はエマを慰めた後セリーヌに自己紹介をされている。猫が喋ったことは驚きだが幽霊と会ったりしたこともあるのでリアクションを取る程は驚いていない。
「初めましてリィン・クラウゼル。私はセリーヌ、エマの使い魔よ」
「リィン・クラウゼルだ。よろしく」
「……なんか普通に挨拶を返されたけど猫が喋ってるのに驚かないの?」
「確かに驚いたけどそれ以上に驚くことを沢山経験してきたから今更猫が喋ったくらいじゃね……」
「なんか私が軽んじられているみたいでムカつくわね」
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